この業界で働いていると、「エンジニアの労働時間が長いのは仕方がない」と諦めているSEは多いですよね。
- 「どこの企業に転職しても、残業時間が長いのは変わらない」
- 「他の会社に比べたら、残業が月80時間でもまだマシな方だ」
- 「転職サイトの求人票に書かれている、社員の残業時間は信用できない」
私も2度ブラック企業に騙されたことがあるので、転職サイトの求人票や採用担当者が話すことは全て信用するべきではないと思っています。
でも、IT業界は過去にないほど人材不足に陥り、以前よりも労働環境が良くなっているのも事実ですよね。そのため、残業時間が少ない企業に転職するのは、以前と比較して難しくありません。
ここでは、月20時間以内で働ける企業に転職したい人に、その具体的な方法を紹介します。
- 月20時間以内で働ける職種や企業とは
- 残業時間が少ない企業の探し方
- 残業時間が少ない企業を確実に見分ける方法
▼▼社内開発の転職に強い専門サイト3社▼▼
- 『マイナビIT AGENT』客先常駐から、社内開発の転職に強い
- 『社内SE転職ナビ
』社内SE専門だが、求人数は673件だけ
- 『リクルート
』求人数は多いが、未経験向けのブラックが多い
<2021年1月:SE転職の緊急のお知らせ>

コロナによる経済悪化に伴い、SE向けの求人数が日を追うごとに激減しています。
3月以降の米国失業保険申請者数は、12月5日累計で「6,989万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数12/05)。リーマンショックでさえ3月の失業者数は80万人でしたが、コロナは1週間で70万人以上が職を失い続けています。
経済環境が不安定だからと、転職活動を見送る常駐SEは多いです。
しかしながら、私たち常駐SEは今すぐに転職する必要があります。なぜならば、21年度に予定していた新規案件などの計画を、大幅に見直す出向先が増えているからです。21年の計画は前年度の業績を見て判断するが、昨年はコロナで急速に業績が悪化しましたね。
そうなると、雇用調整に使われている派遣や客先常駐は職を失います。
米国と日本経済、実体経済と労働環境はタイムラグがあるため、客先常駐の雇用が急激に悪化するのは21年以降です。このように警告しているのは、私自身も金融危機が発生した半年後、冬の寒さが厳しいちょうど今の時期に職を失ったからです。
当時20代前半だった私だけではなく、当時の同僚や出向先の常駐SEの半数以上が契約解除されました。そして、コロナによる不況は、2008年の金融危機よりも深刻です。年度が変わる春前には、案件の中止や延期で契約解除される常駐SEが大量に労働市場に溢れます。
契約解除を伝えられてから、出向先や転職先を探しても手遅れです。その頃には、すでにたくさんの派遣や常駐SEが次の派遣先を探すため、案件自体が市場に出なくなるからです。ようやく出向先を見つけても、月単価20万円のテスターやデータ入力ばかりです。
本来であれば、新規プロジェクトが開始する春前は、人材確保でSE求人が最も増える時期ですね。しかしながら、今年は採用計画を大幅に見直す企業が多く、前年度の半分未満の見通しです。実際に、昨年度の夏秋の求人数は半分だけでした。
いま転職市場にある社内開発の案件は、年度が変わる前にある最後の案件です。これを逃すと、もう春以降は転職できない可能性が高いです。
そのため、21年1月は常駐SEが転職できる最後の月ですね。目標から逆算すると、遅くても今年中には採用活動を開始していないともう手遅れです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から完全に解放されました。
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記事の内容を簡単に知りたい
残業20時間以内で働ける職種とは?

残業時間が少ない職場で働くためには、どのような方法があるのかみていきましょう。
方法1:正社員を辞めて派遣SEを目指す
確実に定時で帰宅するためには、派遣SEを目指すのが最も確実な方法です。
派遣は基本的に残業なし、仮に残業したとしても20時間程度、残業代は全額支給されます。左近の人材不足により時給は高騰し、労働条件はホワイト並みの高水準となっています。

参考:月55万円稼げるテストエンジニア派遣!【ソフトウェアジョブズ】
派遣人材会社のサイトを見ると、高時給の案件がズラリと並びます。
- 業界未経験のテスターでも、時給は1800円(月給28万円、年収336万円)
- 3年程度の経験があれば、時給2500円(月給40万円、年収480万円)
- 開発スキルがある人材なら、時給3000円(月給48万円、年収576万円)
派遣は20代の若いエンジニアに人気を集めています。
特定派遣のIT企業に入社するよりも、倍の高時給で毎日定時に帰宅できるからです。平日でも趣味を楽しむ時間もあるし、サイドビジネスで本業以外の収入源を得る事も可能です。
ただし、派遣は万人向けではないし、生涯働き続けられるわけではありません。
派遣を選択する人は、家族や育児がある人、フリーランスや独立を目指す人、確実に開発スキルを習得するためにプロジェクトを自分で選択したい人です。派遣を選択しても、その後は正社員の道を目指すことを前提にしている人もたくさんいます。
確実に定時に帰れる働き方ですが、デメリットもあるので注意が必要です。
参考:客先常駐と派遣の違い|収入が10万円も変わる意外な事実とは
方法2:異業種の社内SEに転職する

異業種の社内SEは、収入が安定し定年まして働ける上に、定時に帰ることも可能です。
定時に帰れる理由は、自社(製造業、通信業、銀行系などの異業種)でシステム開発を行わずに他社に外注するため、スケジュールを管理する側に回るからです。
IT業界の納期地獄から解放されるし、売上を立てるプレッシャーからも解放されます。それでいて、給与は大手企業の社員と同水準になるので、住宅手当や福利厚生も充実しています。業種にもよるが、30代で年収600万円を超える事も難しくありません。
もちろん、社内SEにもデメリットはあります。
外注にシステム開発を依頼するので、技術者のキャリアからは遠くなります。定年まで安定して働ける代わりに、キャリアチェンジが難しくもなりますね。
デメリットについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
参考:社内SEに転職したい|年収やデメリット、入社後のリアルな失敗談
方法3:残業なしを謳うホワイト企業へ転職する
ホワイト企業へ転職する事で、残業時間を減らすことができます。
この業界では労働時間が長いSEほど給料は安く、労働時間が短いSEほど給料が高いですよね。前者は労働力を外部に提供する客先常駐で、後者は技術力や知識を武器に報酬を得ているからです。
外資系企業のYahooは、週休3日制を導入すると発表しましたね。労働時間が短い方が、知的労働者の仕事効率が高くなると考えているからです。Yahoo以外にも外資系企業は、ワークライフバランスを重視する企業が多いですね。
また、純日系企業でも労働時間を短くする企業は増えています。社員全員が定時きに帰宅する「アクシア」というIT企業が、ホワイトアワードを受賞した事で注目を集めています。
アクシアの経営者によると、長時間労働を辞めた事で優秀な社員が集まるようになり、優秀な人材が集まる事で業績にも反映、さらに労働環境は良くなったと言います。(長時間労働が好きな人はいないので当たり前ですよね)
労働環境を改善する事で売上が増えるなら、同じことをする企業は今後も増えますね。
では、残業時間が少ない企業を探す方法を具体的に見ていきましょう。
残業時間が少ない企業の探し方とは?

転職サイトやエージェントを利用すれば、残業時間が少ない企業やワークライフバランスを重視する企業を簡単に探す事ができます。
例えば、ハイキャリア求人を多数扱う「レバテックキャリア 」の求人検索を利用します。こだわり条件で「残業少なめ」でフィルターすると「353件」の求人がヒットしました。

検索結果には、次の企業が表示されていますね。
- 残業時間が20時間以内の企業
- 女性エンジニアが活躍する企業
- ワークライフバランスを重視する企業
- 週休3日のYahooやグーグルなど外資系企業
IT業界は売り手市場なので、以前よりも労働条件が良い企業は増えています。
ただし、たとえ売り手市場でも、転職サイトの内容を過度に信用しすぎることは避けた方がいいですね。人材不足を解消するために、労働時間など数値を誤魔化して掲載する企業も多いからです。掲載される数値は、すべて企業による自己申告なので、ひとつひとつチェックされていません。
そのため、最終的に入社する企業を決める際には、自分なりの判断基準を持つ必要があります。
ここでは、残業時間が少ない企業を確実に見分ける方法を紹介します。
▼▼日本市場は深刻な人材不足で短期雇用の時給が高騰しています▼▼

深刻な人材不足は、ITエンジニアも例外ではありません。
- 「17万人」のSEが不足しているが、2030年には「57万人」になる(経済産業省)
- 全業界の転職求人倍率は「2.36倍」、IT業界は「6.15倍」(DODA)
- 派遣SEの月給が「48万円」を超えるほど、給与が高騰している(派遣会社)
参考:IT業界のSEは過去最大の売り手市場|簡単に年収アップが実現できる
私たちSEは好条件で企業に転職できます。
ただし、この状況はいつまで続くかは誰にもわかりません。IT企業は人材不足を解消するために、外国人SEを大量に採用しています。日本政府は労働者不足を理由に、移民を受け入れる準備を進めています。
残業時間が少ない企業を見分ける方法とは?

私たちSEは、求人票や採用担当者が話すことを過度に信用するべきではありません。面接の場で平均残業時間を聞いてもあまり意味はないからです。
大概の企業は次のように答えますよね。
「時期や人によって大きく異なるけど、うちは大体月20〜30時間くらいかな」
これを聞いた私たちは、
「1日に1時間ちょっとなら夜7時には会社を出られるのか、まぁ今の時代ならこれくらいは許容範囲かな」と考えます。
しかしながら、仮に社員全員の残業時間が100時間を超えていても、正直に残業時間を教えてくれる企業はないですよね。入社したら全社員が夜の9〜10時まで残業、時期によっては11時を過ぎて働かされます。
いつもそうですが管理職からは、「業務が最優先だ」と言われますよね。
この問題の解決策は、実際の残業時間を確認することしかありません。そのために、企業の退社時間に合わせてオフィスに行き、何割の社員が定時に帰宅するか確認します。
私の判断基準ですが、社員の半分が定時に帰宅していれば許容範囲と考えます。なぜならば、本人の努力次第で定時に帰ることが現実的に可能だからです。ブラックでは、例外なくほぼ全社員が残業をしていますよね。
「労働時間が長い企業を避けるために、そこまでやる必要があるの!?」
と思った人もいますよね。でも、1度入社した企業は10年、20年と働き続ける可能性があるので、妥当な選択ではないでしょうか。
私は過去に2社ブラックを経験し、1日の拘束時間が15時間を超えた現場で働いたことがあります。なので、もう2度と労働時間が長い職場で働きたくないと思っていました。
応募するすべての企業で確認するのは難しいですが、最終面談までいきA社とB社で迷っているケースでは、有効な判断材料になるのではないでしょうか。
現実問題、転職活動でここまでチェックする人はいないですよね。だからこそ、たくさんの人が転職後に後悔することになります。でも、確実にブラックを避ける方法はたくさんありますよね。
労働時間が短い企業で働くコツは、いかにブラック企業を避けるかです。
参考:客先常駐(人売り)の見分け方|なぜ8割のSEが何度も騙され続けるのか?
まとめ:残業時間が少ない職場で働きたい

どうでしょうか、長時間労働を避けるのはそれほど難しくはありません。
IT業界の深刻な人材不足もあり、実は労働時間が短い企業で働くのはそれほど難しいことではありません。
- 正社員を辞めて派遣SEを目指す
- 異業種の社内SEに転職する
- 残業なしを謳うホワイト企業に転職する
このような選択肢がありますね。
派遣は給与が高く確実に定時に帰宅できますが、雇用が不安定で定年まで働き続けるのは難しいです。長期でキャリアを考えるであれば、異業種の社内SEか、ワークライフバランスを重視している企業に転職するのが1番確実ですね。
希望とする企業に転職するためにも、私たちSEは日々開発スキルを磨くことは必要です。
社内開発できるIT企業を目指す
現在働いている環境が客先常駐ならば、まずは客先常駐を辞めて社内開発できる企業へ転職することを考えましょう。
なぜならば、客先常駐を辞めることで、長時間労働と低賃金の問題を同時に解消できるからです。社内開発している企業は、スケジュールを自社で管理しているので、ある程度自分たちでコントールできます。
私は、客先常駐を辞めたことでこのような効果がありました。
- 給料が右肩上がりで増えた(300→520万円)
- 自分の仕事が終わったら定時に帰れる(拘束時間15時間→9時間)
- 開発スキルが向上して転職先に困らなくなった(+50〜100万円で掲示)
→ 客先常駐をすぐに辞めたい|年収アップへの近道がある(300→520万円)
転職するなら早い方が良い理由
2019年の有効求人倍率は、バブル期よりも高い「1.6倍」でした。また、IT業界は特に好調で、転職サイトが公表する転職有効求人倍率は「6.79倍」を記録しています(参考:転職求人倍率レポート)。書類を送付すれば、誰でも企業から内定を得られる状態ですね。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、現状は大きく変わりつつあります。
米国失業保険申請者数は、9月末の累計で「5859万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数リーマンショックが起きた3月の合計でさえ、失業者は80万人だけでした。また、トヨタは来年4月期の決算で、営業利益が79.5%減少すると発表しています。
自動車業界が壊滅的な打撃を受けたら、日本の労働者市場は立ち行かなくなります。
2009年の金融危機の頃には、多くの開発案件が中止に追い込まれました。そして、たくさんの派遣SEや客先常駐が強制退場されています。私も当時若手社員で、常駐先から首を切られました。次の常駐先が見つからず、会社を首になった人もたくさん知っています。
常駐先の契約を切られてから転職活動を開始しても遅いです。その頃には、もう企業は新しい人材を募集していないからです。IT業界で居場所を失えば、飲食店、介護施設などの肉体労働に行く人も少なからずいます。
有効求人倍率が「0.45倍」になると、どのような状況に陥るでしょうか?
- 買い手市場から売り手市場に転落し、高条件で転職できない
- 求人数が3分の1以下になり、転職したくてもできない
- 求人倍率が0.45倍に陥ると、5年間は元に戻らない
- 予算縮小でプロジェクトが中止、常駐SEは強制退場される
- 次の常駐先が見つからず、上司から自主退職を勧められる
- その後に就職活動を開始しても、企業はもう人材を募集してない
- 転職エージェントに登録しても、求人の紹介を断られる
私たちに与えられている時間は、決して多くはないですね。
大手転職エージェントの比較
転職活動を成功させるために欠かせないのは、転職エージェントの選び方です。自分の目的に合う転職エージェントを利用しましょう。
IT特化 | 求人量 | 求人質 | 満足度 | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|
リクナビ | × | ◎ | △ | ◯ | 業界最大手、求人数が多いが利用者も多く機械的な対応になってしまう。 |
DODA | × | ◯ | △ | ◯ | 業界2番手、リクナビよりも求人数が少なく、担当者の押しが強い。 |
マイナビxIT | ◯ | ◯ | △ | ◯ | 業界大手の『マイナビ』がIT業界に特化したエージェント。IT特化型だが、IT業界の専門性はやや低い。 |
レバテックキャリア | ◎ | △ | ◎ | ◎ | 年収200万円アップを目指せる唯一の転職エージェント。『レバテックキャリア 』は、専門性は高いが求人数は大手より少ない。 |
社内SE転職ナビ | ◎ | × | ◯ | ◎ | 社内SEを専門とした唯一の転職エージェント。『社内転職ナビ』は、社内SEに絞っているため、求人数は700件のみ。 |
ポテパンキャンプ | ◎ | × | ◯ | ◎ | プログラミングスクールを利用した転職サービス。『ポテパンキャンプ』を利用すると、無料で開発スキルを習得できるが、提携先のIT企業は40社のみ。Rubyを習得し年収500万円を目指せる。 |
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