客先常駐に嫌気が差し、自社開発を目指すSEが近年増加傾向にあります。
社内開発で働くメリットはたくさんありますよね。
- 労働力ではなく、技術力や知識で報酬を得るため給料が高い
- システム開発がメインなので、高い開発スキルを習得できる
- 自社の仲間と開発チームを組み、社内で腰を落ち着かせて働ける
しかしながら、自社開発についてこのような疑問を抱えている人も多いですよね。
- 「自社開発には、どのような働き方があるのだろうか?」
- 「自社開発には、どのような人材が求められているのだろうか?」
- 「客先常駐から、自社開発に転職することはできるのか?」
ここでは、自社開発している企業に転職したい人のために、次のポイントを紹介します。
- WEB系、社内SE、受託開発のメリットやデメリット
- それぞれの分野で求められるSE像
- 自社開発に転職できるお勧めのエージェントを紹介
▼▼社内開発の転職に強い専門サイト3社▼▼
- 『マイナビIT AGENT』客先常駐から、社内開発の転職に強い
- 『社内SE転職ナビ
』社内SE専門だが、求人数は673件だけ
- 『リクルート
』求人数は多いが、未経験向けのブラックが多い
<2021年1月:SE転職の緊急のお知らせ>

コロナによる経済悪化に伴い、SE向けの求人数が日を追うごとに激減しています。
3月以降の米国失業保険申請者数は、12月5日累計で「6,989万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数12/05)。リーマンショックでさえ3月の失業者数は80万人でしたが、コロナは1週間で70万人以上が職を失い続けています。
経済環境が不安定だからと、転職活動を見送る常駐SEは多いです。
しかしながら、私たち常駐SEは今すぐに転職する必要があります。なぜならば、21年度に予定していた新規案件などの計画を、大幅に見直す出向先が増えているからです。21年の計画は前年度の業績を見て判断するが、昨年はコロナで急速に業績が悪化しましたね。
そうなると、雇用調整に使われている派遣や客先常駐は職を失います。
米国と日本経済、実体経済と労働環境はタイムラグがあるため、客先常駐の雇用が急激に悪化するのは21年以降です。このように警告しているのは、私自身も金融危機が発生した半年後、冬の寒さが厳しいちょうど今の時期に職を失ったからです。
当時20代前半だった私だけではなく、当時の同僚や出向先の常駐SEの半数以上が契約解除されました。そして、コロナによる不況は、2008年の金融危機よりも深刻です。年度が変わる春前には、案件の中止や延期で契約解除される常駐SEが大量に労働市場に溢れます。
契約解除を伝えられてから、出向先や転職先を探しても手遅れです。その頃には、すでにたくさんの派遣や常駐SEが次の派遣先を探すため、案件自体が市場に出なくなるからです。ようやく出向先を見つけても、月単価20万円のテスターやデータ入力ばかりです。
本来であれば、新規プロジェクトが開始する春前は、人材確保でSE求人が最も増える時期ですね。しかしながら、今年は採用計画を大幅に見直す企業が多く、前年度の半分未満の見通しです。実際に、昨年度の夏秋の求人数は半分だけでした。
いま転職市場にある社内開発の案件は、年度が変わる前にある最後の案件です。これを逃すと、もう春以降は転職できない可能性が高いです。
そのため、21年1月は常駐SEが転職できる最後の月ですね。目標から逆算すると、遅くても今年中には採用活動を開始していないともう手遅れです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から完全に解放されました。
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記事の内容を簡単に知りたい
WEB系、社内SE、受託開発のメリットやデメリットとは?

自社開発とは?
自社開発とは、社内でシステム開発する働き方を指します。本来であれば、社員が社内で働くことは当たり前ですが、客先常駐と分けて自社開発と呼ばれています。
自社開発には、主に3つの働き方がありますね。
- 「WEB系」:ユーザー向けに自社製品やサービスを開発する(Facebook、Mixi)
- 「社内SE」:流通業や医療業界など、異業種の情報システム部門で働く(楽天、ユニクロ)
- 「受託開発」:大手企業の下請け、システム開発を自社で受託開発してクライアントに納品する(NECやNTTデータの下請け、独立系IT企業)
まずは、どの分野に進みたいか考える必要があります。
メリットやデメリットまとめ
それぞれの働き方のメリットやデメリットは次のようになります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
WEB系 |
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社内SE |
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受託開発 |
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特に重要なのは、メリットよりもデメリットですね。
WEB系は20代でも大きく稼ぐチャンスはあるが、競争が激しくリスクが高いのが特徴です。その反面、社内SEは安定して定年まで働けるが、転職後にキャリアの方向性を変えるのは難しいですね。
SIer系の受託開発は、客先常駐とビジネスモデルが同じなので転職しやすいです。直請け案件なので、エンジニアの単価は割高(80万円以上)になります。しかし、注意して企業を選択しないと再び常駐させられるリスクもあります。
それぞれ、働き方や特徴が大きく異なることがわかりますね。
では、次に求められる人物像をみていきましょう。
WEB系、社内SE、受託開発で求められる人物像は?

WEB系:技術志向が強い人材
- 自由度が高い社風で働きたい人
- 安定よりも、新しいことにチャレンジするのが好きな人
- SEとして能力を大きく伸ばしたい人
- 年齢が若いうちから、責任あるポジションで働きたい人
- 設計やドキュメント作成よりも、手を動かして開発するのが好きな人
30代、40代のおじさんSEが少なく、技術志向が強いSEならば高収入が実現しやすい働き方です。そのため、20代でも、年収600万円以上を実現する人も少なくありません。
サイバーエージェントの平均年収は665万円、GREEは744万円、DeNAは757万円、ミクシィは615万円など、高収入の企業も多いですね。
ただし、業績が悪いベンチャー企業に入社すると、法整備が整っておらず客先常駐の最底辺並みに長時間労働や低賃金を強いられる可能性も否定できません。
WEB系について詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
参考:WEB系に転職したい|SIerと比較したデメリットや入社後の失敗談や将来性
社内SE:安定して収入を得たい人材
- 安定志向が強く、定年までひとつの会社で働き続けたい人
- 競争社会で生き延びるよりも、充実した福利厚生で働きたい人
- ビジネス志向よりも、社内のサポート業務が好きな人
- 手を動かして開発するよりも、人材やスケジュール管理が得意な人
異業種の社内SEは、一般的なSE像とは少し遠くなります。
システム開発以外の本業で収益を上げているため、納期や売上などのプレッシャーから解放されます。そのため、技術志向が強い人材よりも、コミュニュケーションスキルが高い人材が好まれます。
情報システム部門を設ける企業は、大手優良企業が多く福利厚生が充実しています。大手の給与テーブルに合わせて給与が支払われるため、高確率で年収アップが実現できますね。
社内SEについて詳しく知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
参考:難しい社内SEに転職したい|年収やデメリット、入社後のリアルな失敗談
受託開発:企業向けビジネスで働きたい人材
- システム運用保守やドキュメント作業ではなく、開発案件で働きたい人
- 要件定義から、設計、開発、評価、納品まで、一貫して行いたい人
- 技術力の他に、社内外のマネジメントなど、バランスが良いSEを目指す人
WEB系や社内SEがハードルが高いと感じる人は、まずは受託開発を目指してみましょう。
SIer系の受託開発は、客先常駐と同じビジネスモデルなので転職するハードルは低いです。常駐先でするシステム開発を社内の開発メンバーと行います。
受託開発は、海外志向が強い人にもお勧めです。
資金力が豊富ではない中小企業も海外に開発拠点を構える企業が増えているので、語学力を活かすチャンスもあります。私は受託開発している独立系のIT企業に転職し、2年間の海外勤務を経験することができました。
参考:SEで英語を活かして転職したい|海外勤務後に年収500万円を実現した話
▼▼日本市場は深刻な人材不足で短期雇用の時給が高騰しています▼▼

深刻な人材不足は、ITエンジニアも例外ではありません。
- 「17万人」のSEが不足しているが、2030年には「57万人」になる(経済産業省)
- 全業界の転職求人倍率は「2.36倍」、IT業界は「6.15倍」(DODA)
- 派遣SEの月給が「48万円」を超えるほど、給与が高騰している(派遣会社)
参考:IT業界のSEは過去最大の売り手市場|簡単に年収アップが実現できる
私たちSEは好条件で企業に転職できます。
ただし、この状況はいつまで続くかは誰にもわかりません。IT企業は人材不足を解消するために、外国人SEを大量に採用しています。日本政府は労働者不足を理由に、移民を受け入れる準備を進めています。
「自社開発」にお勧めの転職エージェントとは?

自社開発を目指すのであれば、目的に合わせて転職エージェントを選択する必要があります。
大手転職サイト(リクナビ、DODA、マイナビ)は、未経験者向けの転職者も広く扱うため、目的に合わせた転職が実現しにくいです。また、客先に常駐させる企業も多数紛れ込んでいるので、ブラックに当たるリスクもあります。
自社開発を目的にするのであれば、次の2社の転職エージェントがお勧めです。
また、開発スキルに自信がない人は、プログラミングスクール経由での転職を目指しましょう。オリジナルECサイトを作成して、確実に自社開発ができる企業に転職できます。
その1:WEB系を目指すなら「レバテックキャリア」
- 大手IT企業が運営する転職エージェントで、WEBやゲーム業界に強みがある
- 専門知識が高いエージェントが多く、業界で唯一技術レベルの話ができる
- 企業ごとに書類、面接対策ができるので内定率が高い
- ハイキャリア求人が多く、年収を320万円アップさせた実績がある
- 半年間無料でプログラミングのオンラインレッスンを受講できる
WEB系を目指すのであれば、レバテックキャリア が1番お勧めです。
経験者向けの転職エージェントでは最も地名度が高く、WEBとゲーム業界に強みがあるからです。ハイキャリア求人を多数扱い、年収200万円以上アップする転職者もたくさんいます。
優良IT企業が運営しているので、書類選考通過率や内定獲得率、高収入の転職実績を実現しています。これらは、他の大手転職サイト(リクナビ、DODA、マイナビ)は真似したくてもできない強みですね。
プログラミングレッスンは、RubyやSwift、Pythonなど、学びたい言語を無制限で受講できます。内定獲得後のアフターフォローも充実していますね。詳細が知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
その2:受託開発や社内SEを目指すなら「社内転職ナビ」
- 社内SEや社内開発を専門にした、業界で唯一の転職エージェント
- 客先常駐から確実に脱出することを目的にしている
- 知名度は低いが、利用者が少なくひとりひとりに合わせたサポートが期待できる
- 無理に転職を勧められることはなく、自分のペースで転職活動ができる
異業種の社内SEや社内開発を目指すのであれば、社内SE転職ナビがお勧めです。
本当に「社内開発」の案件だけを紹介してくれるのか確認したところ、15社中15社が社内開発の案件でした。具体的にはこのような案件です。
- 例1:インフラサービスを展開している企業の社内開発「400〜700万円」
- 例2:自社パッケージを販売している企業「550〜900万円」
- 例3:アプリを自社開発している企業「350〜700万円」
- 例4:小売業の社内SE「550〜1000万円」
詳細が知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
その3:スキルに自信がないならスクール経由で転職する
- オンライン制なので、仕事が忙しい社会人でも利用できる
- 受講生はRubyを習得し、3ヶ月でオリジナルのECサイトを製作できる
- ECサイトのURLを履歴書に貼り付けて、優良企業にスキルをアピールできる
- 転職サポートも無料で受けられ、受講後は自社開発している企業へ転職できる
- ポテパン経由の転職は、年収400〜500万円を想定している
- 受講料は3ヶ月で10万円と格安な上に、転職に成功すると全額返金される
「ポテパンキャンプ」は、経験者向けのプログラミングスクールです。
ポテパンを運営するのは、エンジニアに仕事を紹介する人材紹介会社なので、一般的なITスクールと違い実践的なスキルを習得できます。
受講料が3ヶ月で10万円(他のスクールは20〜40万円)と格安なのは、WEB系企業への転職を前提としているからです。ポテパンに興味がある人は、こちらの記事を参考にしてください。
まとめ:「自社開発」している企業に転職したい!

どうでしょうか、自社開発している企業への転職をイメージできたのではないでしょうか。
自社開発には「WEB系」、「社内SE」、「受託開発」など、3つの働き方があります。働き方が変わると、求められる人物像や方向性も大きく異なりますね。
- WEB系:技術志向が強く、短期間で急成長したい人
- 社内SE:少し技術職から離れるが、定年まで安定して働きたい人
- 受託開発:WEB系や社内SEはハードルが高く、企業向けのビジネスで働きたい人
それぞれのメリットやデメリットを考慮した上で選択しましょう。
いずれにしても、客先常駐で働くのはデメリットしかないので、早い段階で客先からは脱出したほうがいいですね。
オススメは受託開発している企業
客先常駐している企業から自社開発へ転職するのであれば、個人的には受託開発がオススメです。
なぜならば、ビジネスモデルは企業向けなので現職と大きく変わらない上に、開発スキルが高くなくても転職しやすいからです。
BtoBで働いているSEにとって、WEB系は企業文化が違いすぎてハードルが高いと感じます。毎日スーツで出社していたのに、翌日から私服で来て個性を発揮しろと言われても、ちょっと戸惑いますよね…
客先常駐から脱出することで、労働条件を大きく改善することができました。
- 給料が右肩上がりで増えた(4年後に300→520万円)
- 自分の仕事が終わったら定時に帰れる(拘束時間15時間→9時間)
- 開発スキルが向上して転職先に困らなくなった(+50〜100万円で掲示)
また、海外に開発拠点がある企業だったので、社内開発の他にも「海外勤務」や「海外出張」もできました。WEB系や社内SEはハードルが高いと感じる人は、是非検討してみてください。
参考:客先常駐をすぐに辞めたい|年収アップへの近道がある(300→520万円)
転職するなら早い方が良い理由
2019年の有効求人倍率は、バブル期よりも高い「1.6倍」でした。また、IT業界は特に好調で、転職サイトが公表する転職有効求人倍率は「6.79倍」を記録しています(参考:転職求人倍率レポート)。書類を送付すれば、誰でも企業から内定を得られる状態ですね。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、現状は大きく変わりつつあります。
米国失業保険申請者数は、9月末の累計で「5859万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数リーマンショックが起きた3月の合計でさえ、失業者は80万人だけでした。また、トヨタは来年4月期の決算で、営業利益が79.5%減少すると発表しています。
自動車業界が壊滅的な打撃を受けたら、日本の労働者市場は立ち行かなくなります。
2009年の金融危機の頃には、多くの開発案件が中止に追い込まれました。そして、たくさんの派遣SEや客先常駐が強制退場されています。私も当時若手社員で、常駐先から首を切られました。次の常駐先が見つからず、会社を首になった人もたくさん知っています。
常駐先の契約を切られてから転職活動を開始しても遅いです。その頃には、もう企業は新しい人材を募集していないからです。IT業界で居場所を失えば、飲食店、介護施設などの肉体労働に行く人も少なからずいます。
有効求人倍率が「0.45倍」になると、どのような状況に陥るでしょうか?
- 買い手市場から売り手市場に転落し、高条件で転職できない
- 求人数が3分の1以下になり、転職したくてもできない
- 求人倍率が0.45倍に陥ると、5年間は元に戻らない
- 予算縮小でプロジェクトが中止、常駐SEは強制退場される
- 次の常駐先が見つからず、上司から自主退職を勧められる
- その後に就職活動を開始しても、企業はもう人材を募集してない
- 転職エージェントに登録しても、求人の紹介を断られる
私たちに与えられている時間は、決して多くはないですね。
大手転職エージェントの比較
転職活動を成功させるために欠かせないのは、転職エージェントの選び方です。自分の目的に合う転職エージェントを利用しましょう。
IT特化 | 求人量 | 求人質 | 満足度 | デメリット | |
---|---|---|---|---|---|
リクナビ | × | ◎ | △ | ◯ | 業界最大手、求人数が多いが利用者も多く機械的な対応になってしまう。 |
DODA | × | ◯ | △ | ◯ | 業界2番手、リクナビよりも求人数が少なく、担当者の押しが強い。 |
マイナビxIT | ◯ | ◯ | △ | ◯ | 業界大手の『マイナビ』がIT業界に特化したエージェント。IT特化型だが、IT業界の専門性はやや低い。 |
レバテックキャリア | ◎ | △ | ◎ | ◎ | 年収200万円アップを目指せる唯一の転職エージェント。『レバテックキャリア 』は、専門性は高いが求人数は大手より少ない。 |
社内SE転職ナビ | ◎ | × | ◯ | ◎ | 社内SEを専門とした唯一の転職エージェント。『社内転職ナビ』は、社内SEに絞っているため、求人数は700件のみ。 |
ポテパンキャンプ | ◎ | × | ◯ | ◎ | プログラミングスクールを利用した転職サービス。『ポテパンキャンプ』を利用すると、無料で開発スキルを習得できるが、提携先のIT企業は40社のみ。Rubyを習得し年収500万円を目指せる。 |
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