ネットの転職サイトの広告をみると、「年収600万円以上の求人多数」と書かれています。
SEは専門職なので他の業種よりも、高収入を実現しやすい職種ですね。しかしながら、年収600万円を稼ぐのは簡単ではありません。
現実では、次のことに悩んでいる人の方が多いですよね。
- 「会社のために、一生懸命頑張っているのに一向に給料が増えない」
- 「毎日遅くまで残業しているのに、年収で400万円すら越えない」
- 「収入を増やすためには、具体的にどうすれば良いのかさえわからない」
ここでは、年収300万円台のSEが、現実的に高収入を目指すために必要なステップを紹介します。なんとなく収入増を目指す人が多いですが、収入を増やすためには段階ごとに何をすれば良いのか変わってきます。
まずは、今の自分に何が必要か考えてみましょう。
- 年収600万円を目指すまでの具体的なステップ
- 客先常駐以外の職種や働き方(WEB系、社内SE、受託開発、外資系)
- IT業界に潜む400万円の壁について
▼▼社内開発の転職に強い専門サイト3社▼▼
- 『マイナビIT AGENT』客先常駐から、社内開発の転職に強い
- 『社内SE転職ナビ
』社内SE専門だが、求人数は673件だけ
- 『リクルート
』求人数は多いが、未経験向けのブラックが多い
<2021年1月:SE転職の緊急のお知らせ>

コロナによる経済悪化に伴い、SE向けの求人数が日を追うごとに激減しています。
3月以降の米国失業保険申請者数は、12月5日累計で「6,989万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数12/05)。リーマンショックでさえ3月の失業者数は80万人でしたが、コロナは1週間で70万人以上が職を失い続けています。
経済環境が不安定だからと、転職活動を見送る常駐SEは多いです。
しかしながら、私たち常駐SEは今すぐに転職する必要があります。なぜならば、21年度に予定していた新規案件などの計画を、大幅に見直す出向先が増えているからです。21年の計画は前年度の業績を見て判断するが、昨年はコロナで急速に業績が悪化しましたね。
そうなると、雇用調整に使われている派遣や客先常駐は職を失います。
米国と日本経済、実体経済と労働環境はタイムラグがあるため、客先常駐の雇用が急激に悪化するのは21年以降です。このように警告しているのは、私自身も金融危機が発生した半年後、冬の寒さが厳しいちょうど今の時期に職を失ったからです。
当時20代前半だった私だけではなく、当時の同僚や出向先の常駐SEの半数以上が契約解除されました。そして、コロナによる不況は、2008年の金融危機よりも深刻です。年度が変わる春前には、案件の中止や延期で契約解除される常駐SEが大量に労働市場に溢れます。
契約解除を伝えられてから、出向先や転職先を探しても手遅れです。その頃には、すでにたくさんの派遣や常駐SEが次の派遣先を探すため、案件自体が市場に出なくなるからです。ようやく出向先を見つけても、月単価20万円のテスターやデータ入力ばかりです。
本来であれば、新規プロジェクトが開始する春前は、人材確保でSE求人が最も増える時期ですね。しかしながら、今年は採用計画を大幅に見直す企業が多く、前年度の半分未満の見通しです。実際に、昨年度の夏秋の求人数は半分だけでした。
いま転職市場にある社内開発の案件は、年度が変わる前にある最後の案件です。これを逃すと、もう春以降は転職できない可能性が高いです。
そのため、21年1月は常駐SEが転職できる最後の月ですね。目標から逆算すると、遅くても今年中には採用活動を開始していないともう手遅れです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から完全に解放されました。
※コロナの影響で電話メール中心で転職活動の支援をしています
公式サイト:マイナビIT AGENT
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記事の内容を簡単に知りたい
年収600万円を実現するための戦略とは?

現在自分がどの位置にいるかによって、取るべき戦略は変わってきます。
現在の年収が300万円であれば、600万円を目指すのは現実的ではありません。まずは、400万円を達成するために求められるスキル、その次に500万円を達成するために求められるスキルを考える必要があります。
1〜3年目:開発スキルを習得する(年収300万円〜)
現在の年収が300万円台の人は、確実に開発スキルを習得することを目標にしましょう。
ITエンジニアは専門職ですが、開発スキルが習得できずに年収が増えない人がこの業界にはたくさんいます。その原因は、IT業界の8割を占める多重下請けや客先常駐に問題があるからです。
開発スキルが積めていない人は、システム運用保守、評価、ドキュメント、環境構築などの単純労働から抜け出すことができません。1日に12時間以上作業しても、週末出勤しても昇給はありません。
業務で開発スキルを積めない人は、経験者向けのプログラミングスクールを利用した方が良いです。
スクールでは、実践的なスキルを学ぶことを目的とし、3ヶ月でオリジナルのECサイトを製作します。受講後は自社開発できる企業を紹介してくれるので、転職後に年収400万円を達成できます。
経験者向けのプログラミングスクール
- オンライン制なので、仕事が忙しい社会人でも利用できる
- 受講生はRubyを習得し、3ヶ月でオリジナルのECサイトを製作できる
- ECサイトのURLを履歴書に貼り付けて、優良企業にスキルをアピールできる
- 転職サポートも無料で受けられ、受講後は自社開発している企業へ転職できる
- ポテパン経由の転職は、年収400〜500万円を想定している
- 受講料は3ヶ月で10万円と格安な上に、転職に成功すると全額返金される
「ポテパンキャンプ」は、経験者向けのプログラミングスクールです。
ポテパンを運営するのは、エンジニアに仕事を紹介する人材紹介会社なので、一般的なITスクールと違い実践的なスキルを習得できます。
受講料が3ヶ月で10万円(他のスクールは20〜40万円)と格安なのは、WEB系企業への転職を前提としているからです。ポテパンに興味がある人は、こちらの記事を参考にしてください。
3〜5年目:キャリアの方向性を定める(年収400万円〜)
開発スキルを習得し年収400万円を越えたら、次に考えなければいけないのはキャリアの方向性です。
なぜかというと、IT業界には年収500万円を超えない職種がたくさんあるからです。今働いている仕事の延長線上に、年収500万円以上を実現できる可能性があるか、見極めてみましょう。
もしもその答えがYesではないなら、具体的な対策が必要になります。具体的には次のような企業で働いていると、年収が増えないですよね。
- 社員を客先に常駐させるだけで報酬を得ている企業
- 特定の企業の下請け、2次や3次請けで受注している企業
- 社員が30人未満の零細企業や、法律を犯しているブラック企業
反対に年収500万円を実現できる働き方とは、「実力主義で技術力重視のWEB系」、「大手企業で安定して働ける異業種の社内SE」、「能力主義で年功序列がない外資系IT企業」、「1次請けで社内で受託開発するSIer系」があります。
それぞれの働き方によって、メリットやデメリットがあります。まずは自分が何に向いているか確認しましょう。
参考:自社開発に転職したい|WEB系、社内SE、受託開発の違いとメリット
5年目以降:上流工程へシフトする(年収500万円〜)
年収500万円を越えたら、企業から求められるスキルは目に見えて変わり始めます。
自分や周囲の生産性だけではなく、組織に対してどれだけ利益を出しているかという視点で見られるからです。
年収600万円を狙うのであれば、SIer系に多いマネジメント志向を目指すのか、WEB系に多い技術志向を目指すのか決める必要があります。
前者ならば、クライアントの要件定義や設計を担当し、社内ではチームのアウトプットと若手の育成に責任が求められます。
後者ならば、小さいプロジェクトをひとりでも回せる人材にならなければなりません。要件定義や設計、コーディングや評価、サービスインまで一貫してできること。その他にも、ユーザービリティ(操作性)やパフォーマンス(チューニング)、サイトの運営や解析も求められます。
具体的にどのような仕事で年収600万円を超えられるか知りたい人は、こちらの記事を参考にしてください。
参考:高収入でSE転職したい|年収600万円に求められるスキルや求人は?
▼▼日本市場は深刻な人材不足で短期雇用の時給が高騰しています▼▼

深刻な人材不足は、ITエンジニアも例外ではありません。
- 「17万人」のSEが不足しているが、2030年には「57万人」になる(経済産業省)
- 全業界の転職求人倍率は「2.36倍」、IT業界は「6.15倍」(DODA)
- 派遣SEの月給が「48万円」を超えるほど、給与が高騰している(派遣会社)
参考:IT業界のSEは過去最大の売り手市場|簡単に年収アップが実現できる
私たちSEは好条件で企業に転職できます。
ただし、この状況はいつまで続くかは誰にもわかりません。IT企業は人材不足を解消するために、外国人SEを大量に採用しています。日本政府は労働者不足を理由に、移民を受け入れる準備を進めています。
IT業界で年収300万円台が1番多い理由

「年収400万円を超えるのが、1番難しいと考えている人が多いのではないでしょうか?」
その理由は、人材をアウトソース(客先常駐)するだけのブラック企業が、IT業界にはたくさん存在しているからです。これは、能力やスキルではなくどの現場に配属されるかという問題なので、個人の努力だけでは乗り越えることが難しいですよね。
客先常駐だと給料は増えない
私自身も過去に2社で客先常駐を経験していますが、この環境から脱出するのに1番苦労しました。
なぜならば、
- 常駐先では、開発スキルが習得できないから転職できない
- 開発スキルが積めないから、単純労働の現場ばかり配属される
- 無理に転職しても、客先常駐している企業しか紹介されない
- 単純労働だけど立場が弱いので、長時間労働で勉強する時間が取れない
このような負のスパイラルに陥るからです。1ヶ月の残業時間は100時間を超え頑張っても、重力が働いているように身体が重く給料は増えていきません。
現在は人材不足もあり、注意深く転職すれば客先常駐を抜け出せます。自信がない人は、実践的なスキルが学べるプログラミングスクールで技術を習得してから転職した方が良いですね。
年収400万円を超えると、順調に収入は増える
私は客先常駐を3年間経験しましたが、転職をきっかけに社内開発できる企業で働くことができました。
その後すぐに年収400万円を越えます。年収400万円を超えると、その後も不思議と年収は順調に増えていきます。
客先常駐させるブラック企業から解放されたのも大きいですが、年収400万円を超えると、自己投資や趣味にお金を回す余裕が生まれるからです。週末に気持ちよくリフレッシュできると、翌週には働く意欲が湧いてきます。
すると、ブラックに勤めていた頃と違い万全の状態で働けます。働ける時間は決まっているので、短い時間で高いパフォーマンスを発揮することに頭を使います。その2〜3年後には、年収500万円も越えてきます。
年収300万円台で停滞している人は多いですが、客先常駐から脱出するだけで400〜500万円は意外と楽に突破できます。
年収500万円を超えるとある程度のスキルがあることを市場で評価されているので、あとは転職のタイミングだったり、携わるプロジェクト、周囲の環境によって変わってきますね。
客先常駐で働いている人は、まずは現在の状況から脱出することを現実的に考えましょう。
参考:客先常駐をすぐに辞めたい|年収アップへの近道がある(300→520万円)
まとめ:客先常駐から年収600万円を目指す戦略

どうでしょうか、年収300万円から600万円を目指す道筋が見えたのではないでしょうか。
年収600万円を目指すのであれば、段階を経て徐々に収入を増やす必要があります。現在の年収や経験年数によって求められることは大きく変わります。
- 1〜3年目:開発スキルを習得する(年収300万円〜)
- 3〜5年目:キャリアの方向性を定める(年収400万円〜)
- 5年目以降:上流工程へシフトする(年収500万円〜)
私たちSEの収入を増やすためには、目的や戦略を持って働き方を考える必要があります。なんとなくで働いていると、いつまで経っても収入は増えていかないですね。
参考:
転職するなら早い方が良い理由
2019年の有効求人倍率は、バブル期よりも高い「1.6倍」でした。また、IT業界は特に好調で、転職サイトが公表する転職有効求人倍率は「6.79倍」を記録しています(参考:転職求人倍率レポート)。書類を送付すれば、誰でも企業から内定を得られる状態ですね。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、現状は大きく変わりつつあります。
米国失業保険申請者数は、9月末の累計で「5859万人」を超えました(参考:新規失業保険申請件数リーマンショックが起きた3月の合計でさえ、失業者は80万人だけでした。また、トヨタは来年4月期の決算で、営業利益が79.5%減少すると発表しています。
自動車業界が壊滅的な打撃を受けたら、日本の労働者市場は立ち行かなくなります。
2009年の金融危機の頃には、多くの開発案件が中止に追い込まれました。そして、たくさんの派遣SEや客先常駐が強制退場されています。私も当時若手社員で、常駐先から首を切られました。次の常駐先が見つからず、会社を首になった人もたくさん知っています。
常駐先の契約を切られてから転職活動を開始しても遅いです。その頃には、もう企業は新しい人材を募集していないからです。IT業界で居場所を失えば、飲食店、介護施設などの肉体労働に行く人も少なからずいます。
有効求人倍率が「0.45倍」になると、どのような状況に陥るでしょうか?
- 買い手市場から売り手市場に転落し、高条件で転職できない
- 求人数が3分の1以下になり、転職したくてもできない
- 求人倍率が0.45倍に陥ると、5年間は元に戻らない
- 予算縮小でプロジェクトが中止、常駐SEは強制退場される
- 次の常駐先が見つからず、上司から自主退職を勧められる
- その後に就職活動を開始しても、企業はもう人材を募集してない
- 転職エージェントに登録しても、求人の紹介を断られる
私たちに与えられている時間は、決して多くはないですね。
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