客先単価に対して給与が低く、不満を語るSEは多いですよね。しかしながら、客先単価に対する給与額を正しく計算できる人は少ないですよね。客先単価60万円を得ていたら、私たち常駐SEの月給与や年収はいくらが妥当なのでしょうか?
- 「客先単価70万円なのに、月給22万円て少ないですよね…」
- 「客先単価46万円で、手取り15万円は少なすぎじゃないですか…」
- 「勤続年数2年、客先常駐のマージン率が6割は納得できない…」
一般派遣と違い、常駐SEの給与を一般化するのは難しいです。
強引に一般化して述べるとすると、客先単価60万円ならば、給与30万円(賞与なし、交通費2万円)がひとつの目安になります。売上720万円に対して、常駐SEの年収は385万円ですね。そうすると、客先SEが稼いだ売上の47%を、派遣元がとる計算になりますね。
マージン率が47%と聞いた時、「やっぱり私たちSEは、客先常駐に搾取されている」と考える人は多いです。一般派遣のSEならば、マージン率は31.3%しかないですね。
しかし、派遣SEより16%も低い理由は、客先常駐には社会保障(厚生年金、健康保険)、待機リスクの負担があるからです。派遣SEの場合は、常駐先で契約が解除されたら社員に給料を支払う必要がありません。また、社会保険に加入していない派遣会社も多いですね。
客先常駐が負担する経費を考慮すると、マージン率47%は適正値と言えます。
客先単価80万円で常駐した場合、私たちSEの給与は37.6万円(賞与なし)が妥当です。客先単価60万円ならば、月給32万円ですね。これより少ないならば、会社と交渉する余地は十分にあります。
この給与額に納得できない人は、フリーランスや派遣SEを目指しましょう。
ここでは、客先単価に対する客先常駐の適正給与の計算方法を紹介します。また、IT業界内で客先単価60万円の妥当性についても紹介します。客先常駐は構造的に儲かりにくいビジネスなので、給与を増やしたければ、社内開発への転職をお勧めします。
- 客先単価60万円の適正年収や月給は?
- 客先単価60万円は、IT業界では妥当なのか?
- 客先常駐は利益率が低く、構造的に儲からない?
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<24年4月:求人数は下落に転じる>
24年に入り、日本の雇用環境は急速に悪化し始めています。
転職大手DODAによると、2月の有効求人倍数は『3.22倍→2.67倍』に急落しています。下落に転じた理由は、これまでコロナを理由に転職活動を遅らせてきた人が今年の春採用に向けて遂に動き始めたことに加え、予想外に求人数が前月比で減少したからです。製造業の求人数の減少は、昨年10月から指摘されていました(参考:製造業の新規求人数は大幅減少が続く(2023-10))。
そのため、24年春採用は危機的な状況に陥る可能性が高いです。
日本製造業の不調の原因は、世界経済の需要の急落です。21年9月に中国不動産バブルの崩壊、22年2月はウクライナ紛争で欧州経済が危機に瀕し、24年現在も中東紛争が加わり厳しい状況が続きます。更には、23年まで唯一好調だった米国も、24年には景気後退に突入する可能性が高いです(参考:米国の景気後退が始まる2024年)。
金融危機が訪れると、08年と同様に多くの常駐SEが職を失います。
私自身も当時1年目で、常駐先から契約解除と解雇されました。
契約解除後に転職活動しても、より条件が下がる劣悪なブラックしか残っていません。私は半年後に運良く内定を獲得できたが、年収300万円以下で4年間も身動きできなかったです。コロナ過では在宅ワークに救われたが、世界的な景気後退では私たち常駐SEに逃げ道はありません。
そのため、23年に転職を逃した人は、今すぐに行動を開始してください。24年の春採用を狙っている人は多いが、その頃にはもう手遅れになる可能性が高いからです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。
なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から解放されました。
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客先単価に対して、給与が低いと感じるSEは…
客先単価に対して、自分の給与が安い事に不満を抱いているSEは多いです。
Aさん)単価70万円でも給与は22万円しかない…
単価70万派遣契約の手取りについて。派遣業に詳しい方や、同じような雇用形態で働いている方に質問です。私はITサービス業の正社員なのですが、会社が顧客と委託や派遣契約を結び、客先に常駐する形で業務を行っています。
現在、顧客とは単価70万の契約を結んでいるのですが、私の給与は基本給22万です。自社があり正社員であることから、通常の派遣斡旋と異なるため、70万全てが私の価値とは思いませんが納得のできる給与ではありません。同業他社に知り合いがいないため、給与は適正か、転職すべきかのアドバイスがほしいです。
参考:Yahoo知恵袋
客先単価70万円に対して、月給22万円はかなり少ないと思います。
しかし、月の基本給だけでは、高いか低いかを判断するのは難しいです。基本給以外に、時間外労働の支給額、交通費、年間賞与、家賃補助、福利厚生も考慮する必要があります。これらを全てを考慮した上で、常駐SEの取り分は月32.9万円(年394万円)が妥当額です。
大きく下回る場合は、上司と交渉してみましょう。
Bさん)客先単価46万円で手取りは15万円だけ…
プログラマーをされてる方に質問です。現在28歳、経験5年目のプログラマーです。正社員なのですが、自社開発や請負業はしておらず、特定派遣のみです。客先単価は46万程度と聞いてますが、私の手取は残業無い月だと手取15万切ります。(交通費除き)ボーナスも1度もありません。
この給与について、皆さんどう思われますか?経験付けるためと思い必死にがんばってきて、高い安いをあまり考えずに仕事してきましたが、やはりだいぶ安いのですかね。それとも、特定派遣だとこんなものなのでしょうか。
参考:Yahoo知恵袋
客先単価47万円に対して、手取り15万円、賞与なしは安いですね。しかしながら、単価が低いため極端に安い訳ではありません。あくまで目安ですが、給与の適正値は月21.6万円(年259万円)です。現在よりも、月3万円程度加算されるだけですね。
客先単価47万円は、IT業界ではかなり低いです。客先単価を増やすには、客先常駐の上位の会社を目指す必要があります。
Cさん)客先常駐にマージンを6割も取られている…
派遣会社で働く管理職or営業に質問です。優秀な社員が辞めても痛く無いですか?
僕はIT系の人材派遣会社で正社員として勤務しており、客先常駐しています。近年給料が業界内でも最低クラスに安かった会社が今年から入る新人の給料を大幅アップしました。が、既存社員の給料はそのままで、新人より給料が低い人が続出しました(自分もそうでしたが、会社指定の資格を複数取り、大幅昇給の基準を満たしたので来年4月に脱出します)。中には勉強は出来ないけど仕事ができて客先で高評価を頂き派遣単価をかなり貰ってるのに安い人がいました。
僕も今はマージン率が6割とおかしな状態ですが…。
その社員はこんなに貢献してるんだから給料を上げてほしいと強く言ったそうですが、向こうからは「あ、そう。嫌ならやめてもらって構わないよ」とあっさり言われたそうです。結構貢献してる人だったので、そんな人でもこうもあっさり言われるのであれば、自分も交渉しても無駄だなと思いました。ちなみに僕は26歳で勤続年数2年2ヶ月、先輩は35歳で勤続年数7年です
参考:Yahoo知恵袋
客先常駐のマージン率が6割は高いですね。
適正値としては、47%前後に収まるべきだと思います。ただし、客先常駐の仕組みとして、35歳を過ぎた常駐SEを昇給させるのは難しいです。客先常駐だと35歳を過ぎた辺りから、受け入れ先の企業は激減します。営業がかなり頑張らないと仕事は取れません。
使い捨てられたくないならば、年齢が若い内に社内開発に転職する必要があります。
常駐SEの給与に対して不満を語る人は多いですよね。しかしながら、適正値を正しく把握した上で、批判できる人は少ないですよね。では、私たち常駐SEはいくらの給与が妥当なのでしょうか?
客先単価60万円の「適正年収」や月給は?
客先単価60万円に対して月32万円(賞与なし、交通費2万円)は、ひとつの基準になります。ここでは、一般派遣と客先常駐のマージン率の比較、それから適正価格の計算方法を紹介します。
その1:派遣会社のマージン率は「31.3%」になる
- IT系の一般派遣会社のマージン率は、31.3%しかいない
- 客先単価が月60万円ならば、派遣SEの月給与は42万円もある
- マージン費から、社会保険料、福利厚生、会社運営費も使われる
- マージン率が低い理由は、待機リスクを考慮していないから
常駐SEの適正給料を計算する前に、まずは派遣会社のマージン率を見てみましょう。
IT系の一般派遣のマージン率は、厚生労働省の『労働者派遣事業報告書』から計算できます。マージン率の計算は、IT専門の派遣会社がまとめていました。株式会社リツアンによると、一般派遣のマージン率は31.3%が相場です。
客先単価が月60万円(時給3700円)の派遣で働けば、派遣SEの月給与は42万円(時給2600円)です。対して、派遣SEに案件を紹介した派遣会社の取り分は18万円です。
この18万円全てが、派遣会社の取り分になるわけではありません。派遣会社が負担する社会保険料(厚生年金、健康保険)や福利厚生(研修、有給消化)、会社運営費(光熱費、オフィス代、広告費、営業)に使われます。
客先常駐で搾取されているSEから見ると、31%しか取らない派遣会社は良心的に見えますよね。派遣会社の取り分が少ない理由は、客先常駐と違い待機リスクを考慮しなくて良いからです。派遣SEが契約解除されたとき、派遣会社は給料を支払う必要がありません。
では、客先単価60万円の客先常駐の適正給与は、いくらが妥当なのでしょうか?ここでは、客先単価60万円の案件を受注し、月給30万円(経費45万円)を支払った場合の原価の計算方法を紹介します。
その2:単価60万の適正月給は32万(経費45万)
※1 残業持出し分の計算方法 (180時間ー160時間)×残業単価
顧客との契約における精算幅の上限が180hの場合、月間稼働が180時間までは追加でお金がもらえません。ただ、社員への残業代は支払わなければいけないので、この差の20時間分を原価に算入します。
- 契約条件:客先単価60万円、清算幅140-180h
- SEの給与条件:月額30万円(賞与なし)交通費2万円
- 客先常駐のマージン率は、47%(交通費込み)になる
- 一般派遣より16%も高いのは、待機リスクがあるから
- SEの月給が30万円でも、経費込みだと45.4万円
- 人件費以外の14.6万円で、運営費や研修費用を捻出する
- 会社の年間売上720万円、SEの給与は385万円だけ
一般派遣と比較して、客先常駐のマージン率はあまり参考になりません。
なぜならば、下請け構造の階層次第で客先単価は大きく異なるし、給与体系も全く異なるからです。また、同じ常駐先に派遣されて客先単価が同じでも、常駐SEの年次が異なれば給与も変わります。あくまでも参考値として、マージン率を用いています。。
客先単価60万円で給与が月30万円(賞与なし・交通費2万円)の場合、人件費に掛かる経費は45万円です。この給与が適正値だとすると、客先常駐のマージン率は「47%」ですね。
一般派遣よりも「16%」も高いのは、客先常駐の方が会社の運営費用が大きく、待機リスクがあるからです。常駐SEに月30万円支払っていても、実際に会社が支払う経緯は45.4万円です。15.4万円の経費には、有給休暇や残業代、待機リスクが含まれます。
経費を差し引いた14.6万円(60万ー45.4万)で、会社の運営費(オフィス代、営業や事務)や、若手社員の研修費用を捻出します。
以上から言えるのは、客先常駐が必要以上にボッタクっているわけではない事です。
ひとつの基準として、月単価60万円(年売上720万円)の案件に常駐していれば、給与30万円+交通費2万円(年収385万円)は適正値と言えます。385万円(マージン率47%)より少なければもっと貰って良いし、逆に少なければ交渉する余地はありですね。
では、月単価60万円というのは、客先常駐ではどれくらい妥当な金額なのでしょうか?
その3:客先単価「60万円」は妥当なのか?
下請け階層 | 客先単価の相場 | 平均年収 |
---|---|---|
1次請のPM | 100〜120万円 | 800万円以上 |
1次請のSE | 80〜100万円 | 600〜800万円 |
2次請のSE | 60〜80万円 | 400〜600万円 |
3次請のSE | 40〜60万円 | 300〜400万円 |
3次請の2年未満 | 20〜40万円 | 250〜300万円 |
4〜6次請のSE | 20〜40万円 | 250〜300万円 |
客先常駐の客先単価は、階層毎に綺麗に別れています。
1次請の上位SEであれば、客先単価は80万円を超えます。あとは階層が下に行ほど、顕著に下がります。社員規模が千人単位の2次請は60〜80万円、百人単位の3次請は40〜60万円です。4次請以降の零細企業だと、30万円前後が相場になります。
客先常駐では、4次請以降で年収250万円で働くSEは少なくありません。
客先単価が分かれば、私たちの平均年収もある程度計算できますね。例えば、業界最大手のNTTデータだと、平均年収は812万円、生涯年収は3億2048万円です(参考:NTTデータ生涯年収)。
私が1社目で働いた3次請の給与は、年収280万円(賞与なし、残業代なし)でした。当時の私の客先単価は35万円(超過分は別途支給)だったと思います。10歳上の先輩社員がいたけれども、彼の給与は330万円だけでした。
常駐先の先輩社員(2次請)の給与は、賞与と残業代が支給され450万円以上です。
さらに、3次請の協力会社(4次請)の給料は250万です。4次請の社員たちは、私たちと同じ常駐先に出向し同じ業務内容でも、階層が違うだけで低くなります。親会社である2次や3次請に搾取されているからですね。
このように、縦社会の客先常駐では、階層から客先単価が予想できます。そして、客先単価が決まれば、私たちの平均年収も予想できますね。
客先単価60万円は2次請の若手社員、もしくは3次請で10年以上経験がある常駐SEが貰える金額です。3次請以降で働く社員が、客先常駐では8割以上を占めます。そのため、客先単価60万円以上で働く社員は、かなり少ないと思います。
私の肌感覚でいうと、客先単価40〜60万円で働く層が1番多いです。そうなると、年収換算でも300〜400万円ですね。客先常駐は、構造的に儲からないビジネスだと言えます。
客先常駐は構造的に「儲からない」ビジネス?
客先常駐では、売上だけを増やすなら難しくありません。労働力の需要が増加していれば、社員の数を増やすだけで売上は増えますね。しかしながら、客先常駐の構造的な問題で、利益率を改善するのは難しいです。
極端な言い方をすると、常駐SEを300名に増やしても経費が増えるだけで無意味です。
人数を増やすほど、待機リスクも増えるため経費も上昇します。しかしながら、人数を増やさなければ、売上も増えないため事業は縮小するだけです。利益率を改善するには、客先単価を増やすしか道はありません。
しかしながら、客先単価は階層毎に固定されるため、私たちはコントロールないですね。さらには、派遣ビジネスは誰でも参入できるため、常に価格競争を強いられます。
私たち多くの常駐SEは、客先単価40〜50万円台で働きます。その場合に、常駐SE1人に対して、月5万円の純利益が残れば良い方です。さらに、常駐SEは3〜6ヶ月毎に契約解除されるリスクがあるため、経営は常に不安定ですよね。
待機リスクがない一般派遣の方が旨味が多いビジネスです。月単価60万円ならば、派遣SEの月給与は42万円(年収504万円)ですね。客先常駐は実質派遣と変わらないため、派遣SEを目指す方が単純に給料は増えます。
構造的に儲からない客先常駐よりも、個人的には社内開発で働くべきだと思います。
私の客先常駐時代の昇給額は、1年で3千円だけでした。しかしながら、社内開発に転職して以降は、4年間で年収は220万円も増えました(年収300→520万円)。利益率の上限がある客先常駐と違い、技術力がある社内開発ほど利益率は増えます。
会社の利益が増えれば、社員にも還元されますね。
客先常駐よりも、社内開発の「利益率」が高い理由は?
- 設計や開発工程を一括受注するため、取引額は数千万円になる
- 優秀なマネージャーは、年間で1億円以上の売上をもたらす
- 優秀なMGクラスは、社内で開発案件を掛け持ちできる
- 効率化すれば利益率が増えるため、社員にインセンティブが働く
- 単価80万円でも、若手や外国人PGを使い利益率を改善できる
- 下流工程を経験した社員は、経験を積み上流工程にシフトできる
社内開発の利益率が高い最大の理由は、優秀な人材が年間で数億円の売上を持たらす事です。
優秀な人材は、クライアントに提案して数千万円の開発案件を受注します。受注した案件を社内の中堅SEに委託しながら、別の開発案件も同時進行で提案できますね。客先常駐の最大の問題点は、優秀な人材を外部に派遣しても、月100万円の売上にしかならない事です。
成功した開発会社は、優秀なMGクラスを何人も抱えています。
また、構造的な問題がある客先常駐と違い、社内開発では利益率を改善しやすいですよね。例えば、仕事ができる社員に賞与や昇給で還元する事で、社内でインセンティブが働きますね。また、一括した受注した開発案件の下流工程を、若手や外国人PGに任せることでも改善できます。
そして、社内で開発を経験した若手は、付加価値が高い上流工程にシフトします。
このように、社内開発と客先常駐では、根本的にビジネスモデルが違いますね。派遣ビジネスでは、どれだけ一生懸命に働いても得られる給与に限界があります。なぜならば、売上が増えても利益率に限界があるからです。
社内開発と比較して、客先常駐の生涯賃金が1億円以上も違います。その理由は、客先常駐は構造的な欠陥を抱えているからですね(参考:SEの平均年収は550.8万円|常駐SEの給料が低い原因は?)。
では、客先常駐から脱出して社内開発で働くには、具体的に何をすれば良いのでしょうか?
「諦めなければ、必ず客先常駐から脱出できる」
客先常駐で働く多くのSEに、社内開発を目指して欲しいと思っています。
なぜならば、私自身が客先常駐やSESに長年苦しめられたからです。客先常駐では将来性がない上に、出向先や自社に都合良く使われ、需要がなくなれば切り捨てられます。常駐先で契約解除されたら、自社でも居場所を失い失業するしか道はありません。
私がIT未経験で入社した先は、社員を客先に常駐させるだけのブラックでした。毎日夜11時過ぎまで働くも残業代は1円も支給されず、時給に換算すると700円以下です。身体は疲れているのに、布団に入ると将来が不安で夜も眠れません。
ある仕事帰りの電車の中で、窓に映った惨めな自分の姿を目にします。家事と仕事を両立し苦労して育ててくれた母親の事を思い、自然と目から涙がこぼれ落ちました。しかしながら、臆病だった私は行動に移せず、転職できずに3年が経ちます。
働くためだけに社会から生かされている生活に嫌気が指していた時に、知人から転職エージェントを紹介されました。転職に前向きになれないながらも、半ば強制的に就職活動が始まります。
そして、その2ヶ月後に社内開発できる企業に就職し、私の人生は大きく変わりました。社内開発できる企業に入社後、転職してから4年後には年収500万円を超えました。決して大きな成功ではないが、家族にも恵まれ今は毎日幸せを感じています。
この知人のおかげで、自分を信じて行動すれば、必ず良い方向に進むことを知ります。未来は自分が思い描く事しか実現されないので、いま行動しなければ一生変わらないですね。
ぶっちゃけ、客先常駐を脱出するのは難しくありません。なぜならば、常駐SEの大半は飲み会で愚痴るだけで、実際に行動に移す人は全体の1割もいないからです。私たちが実際に行動に移せば、意外と簡単に社内開発に転職できます。
客先常駐で働くSEがいなくなれば、客先常駐やSESは潰れるしかありません。私が社内開発を勧める理由は、社員を常駐させるだけのブラックは潰れて欲しいからです。そのためには、まずは私たち自身が行動しなければなりません。
私は過去にマイナビを利用して、客先常駐から脱出して社内開発に転職しました。マイナビは親切な担当者が多く、客先常駐から抜け出せるか不安を感じている人に向いています。
公式サイト:マイナビ IT AGENT(無料サービス登録まで3分)
客先常駐から脱出できる3つの方法は?
客先常駐から脱出する方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:IT業界を辞めて別の業種へ
客先常駐に疲れ切った人の中には、別業種で再スタートしたい人も多いです。でも、SEのキャリアを活かす方が、良い就職先に就ける可能性は遥かに高いですよね。
経験ゼロで新しい業種に入れば、年収250〜300万円で再スタートします。冷静に考えると、実務経験がない状態で異業種に飛び込めば、どの業種でも確実にブラックに就職します。ノルマがキツイ営業や飲食業、肉体労働の建築や工場は、IT業界以上にブラックな業種です。
仕事が楽な総務や事務職は、正社員ではなく派遣やパートしか募集していません。派遣やパートでは、今以上に将来が不安定になります。
1度でもIT業界で働きた経験があれば、私たちは未経験者ではなく経験者枠で応募できます。キャリアコンサルタントが提案する企業も、10倍以上に選択肢が増えますね。紹介してくれる企業は経験者向けなので、求人の質も以前より高くなります。
現実的に考えたら、現在のキャリアを活かさない手はないですね。
方法2:経験を活かして異業種の社内SEへ
異業種の社内SEを目指せば、客先常駐から逃れられます。しかしながら、社内SEはデメリットも多いため、私たちは十分に注意が必要です。
最大のデメリットは、特定の業界事情に詳しくなる反面、IT系の専門性が失われる事です。なぜならば、システム開発を外部委託するため、自社で経験やキャリアを積めないからです。社内SEの仕事は、社外のスケジュール管理と、社内の非IT管理部門のサポート業務です。
1度でも社内SEになると、一般的なSEのキャリアからは遠くなります。
また、本業が成長しない会社に就職すると、リストラの危険性も高いです。なぜならば、利益を上げない情報システム部門は、経営陣からコスト部門だと見なされるからです。定年まで働く前提で入社しても、経営方針が変われば真っ先に首を切られます。
競争社会から離れた社内SEにとって、外の世界で生き残るのは容易ではないですね。
方法3:経験を活かして自社や社内開発へ
IT業界で市場価値を高めたい人は、自社開発や社内開発を目指しましょう。社内開発とは、大手企業から依頼を請ける受託開発、自社製品やパッケージの開発や販売、スマホやソーシャルアプリの開発、コンサルタントやクラウド導入など、様々な働き方がありますね。
社内開発の最大のメリットは、経験と業界年齢に合わせてキャリアを積める事です。
開発案件では最新技術を学び、社内開発で経験を積めば上流工程からも携われます。設計やマネジメントを経験できれば、自身の市場価値を上げられますね。そして、専門知識や経験さえ積めれば、不景気を理由にリストラされても生き残れます。
また、専門知識や経験年数に合わせて、順調に収入も増やせますね。市場価値が高い人材になれば、フリーランスや在宅で働くのも難しくありません。市場価値が高い人材になれば、年収100〜200万円アップの転職も難しくありません。
では、客先常駐を脱出するには、私たちは具体的に何をすれば良いのでしょうか?
客先常駐から脱出できる転職サイト2社は?
客先常駐を脱出するには、「マイナビ×IT」と「社内SE転職ナビ」がお勧めです。
転職1:異業種の社内SEに強い「社内SE転職ナビ」
- IT経験者向けに、社内SEに特化した専門サイト
- 客先常駐から脱出して、異業種の社内SEに転職できる
- 他の経験者向けと比較して、知名度が低く利用者が少なすぎる
- 社内SE案件に絞られるため、求人数が673件と少なすぎる
- スキル次第だが、実は社内SE以外も紹介される
- 関東圏、関西圏以外では、求人がほとんどない
公式サイト:『社内SE転職ナビ』
社内SE転職ナビは、社内SEに特化した経験者向けの転職サイトです。他にない最大の特徴は、社内SEや社内開発を専門に扱い、確実に客先常駐から脱出できる事ですね。
しかしながら、他の転職サイトと比較して、知名度が低く利用者が少ない点に注意が必要です。また、社内SE案件に絞られるため、求人数が673件しかありません。「マイナビ×IT」も経験者向けで社内開発を中心に扱うが、求人数は2.8万件以上あります。
確実に客先常駐を脱出できるのは魅力だが、転職サイトの規模が少なすぎます。選択肢が少ないと、ブラックに就職する可能性も必然的に高くなります。「社内SE転職ナビ」1本に絞るのは、リスクが高いので避けた方が良いですね。
転職2:自社や社内開発に強い「マイナビ×IT」
- 大手マイナビが運営する、IT業界に特化した専門サイト
- 客先常駐から、自社や社内開発の転職に最も強い
- 自社や社内開発など、求人数は2.8万社以上もある
- ハイキャリア層ではなく、20〜30代の常駐SE向け
- 大手2社(リクナビ、DODA)にはない、中小の隠れ良企業を扱う
- 大手2社よりも、丁寧な対応で高評価を得ている
- 担当者が推薦状を書くので、書類選考の通過率が高い
公式サイト:マイナビ IT AGENT
「マイナビ×IT」は、大手マイナビが運営する、IT業界に特化した専門サイトです。他にない最大の特徴は、客先常駐から自社や社内開発、それから社内SEを目指せる事です。親切な対応の担当者が多く、転職経験がない初めての常駐SEにも向いています。
個人的な1番のお勧めが「マイナビ×IT」です。なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、客先常駐のブラックから脱出できたからです。
私が社内開発に転職できた時は、実務で開発経験が1度もない時でした。
「次もブラックに騙されて、客先常駐やSESに入社したらどうしよう」と不安しかなかったです。担当者は、客先常駐の経験しかなくても、必ず社内開発に就職できると声を掛けてくれました。「確実に社内案件に入れる保証がなければ、無理に転職する必要はないですよ」とも言ってくれました。
2ヶ月後に内定を頂いた先は、受託開発がメインのIT企業です。社員数が100名未満の中小企業だが、海外に開発拠点もある隠れ優良企業でした。
入社後に先輩社員から個別の社内研修があり、プロジェクト配属後も別の先輩が開発のサポートをしてくれます。それから、毎年40〜60万円ペースで順調に昇給し、4年後には年収が520万円を超えます。開発案件に就いた後も、納期がない月は毎日定時に帰宅しています。
上場企業や知名度がある大手はないが、私にとってこの会社は優良企業ですね。順調に昇給する上に残業も少ないため、今もこの会社でお世話になっています。
IT業界以外も広く扱う大手2社(リクナビ、DODA)と違い、IT系に特化したマイナビは求人の質が高いです。また、大手2社が扱わない隠れ優良企業が多いのも魅力です。機械的な対応にならざる負えない大手と違い、サポートが手厚い点もお勧めです。
私が客先常駐から脱出でき、社内開発に転職できたのはマイナビのおかげです。
これからも、常駐SEで働き続けるリスクとは?
客先常駐を続ける最大のデメリットは、経験年数に応じて給料が増えない事です。
常駐SEの給料が増えない理由は、手順書通りのマニュアル作業、ドキュメント作成、運用保守、ヘルプデスク、評価など、単純労働ばかりで開発経験を積めないからです。短期間で常駐先が変わるため、運が悪ければプロジェクト毎にスキルがリセットされます。
IT業界で35歳定年説があるのは、実務経験を積めない常駐SEの働き先がなくなるからです。35歳を過ぎると、経歴書の年齢を見ただけでスルーされます。
私の新入社員時代の元同僚は、今も1社目の客先常駐で働き続けています。久しぶりに彼女に再会したが、8年間で30万円(年収300→330万円)しか増えていない事に衝撃を受けました。30歳を機に、契約解除が増え自宅待機も増えたと言います。
対して、3年目に転職を決意した私は、その4年後に520万円まで増えています。IT業界では、本人の能力や実力以上に働く環境が大事です。
▼▼客先常駐からの転職に強い専門サイト3社は▼▼
- 『マイナビ IT AGENT』客先常駐から、社内開発の転職に強い
- 『社内SE転職ナビ』求人数は673件と、ブラック率も高い
- 『リクルート』異業種への転職は、キャリアを活かせない
※マイナビのプロモーションを含みます。
<24年4月:求人数は下落に転じる>
24年に入り、日本の雇用環境は急速に悪化し始めています。
転職大手DODAによると、2月の有効求人倍数は『3.22倍→2.67倍』に急落しています。下落に転じた理由は、これまでコロナを理由に転職活動を遅らせてきた人が今年の春採用に向けて遂に動き始めたことに加え、予想外に求人数が前月比で減少したからです。製造業の求人数の減少は、昨年10月から指摘されていました(参考:製造業の新規求人数は大幅減少が続く(2023-10))。
そのため、24年春採用は危機的な状況に陥る可能性が高いです。
日本製造業の不調の原因は、世界経済の需要の急落です。21年9月に中国不動産バブルの崩壊、22年2月はウクライナ紛争で欧州経済が危機に瀕し、24年現在も中東紛争が加わり厳しい状況が続きます。更には、23年まで唯一好調だった米国も、24年には景気後退に突入する可能性が高いです(参考:米国の景気後退が始まる2024年)。
金融危機が訪れると、08年と同様に多くの常駐SEが職を失います。
私自身も当時1年目で、常駐先から契約解除と解雇されました。
契約解除後に転職活動しても、より条件が下がる劣悪なブラックしか残っていません。私は半年後に運良く内定を獲得できたが、年収300万円以下で4年間も身動きできなかったです。コロナ過では在宅ワークに救われたが、世界的な景気後退では私たち常駐SEに逃げ道はありません。
そのため、23年に転職を逃した人は、今すぐに行動を開始してください。24年の春採用を待っていたら、もう手遅れになるからです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。
なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から解放されました。
公式サイト:マイナビ IT AGENT(無料サービス登録まで3分)
いますぐ転職する意思がなくても、自分を守るために会員登録だけでも必ずしてください。会員登録や転職サポートは全て無料だし、事前に面談済みなら必要な時にすぐに案件を紹介してくれるため、常駐先で契約解除された時のリスクヘッジになります。
まとめ:単価70万円の常駐SEの給与は?
- 客先単価の相場は、30〜80万円である
- 月給30万円のSEを雇用したら、経費は45万円になる
- 客先常駐は、会社の運営費、待機リスク、教育コストを負担してる
- 単価70万円ならば、月30万円、賞与100万円が目安になる
客先単価の割に、給与が少ない事に対して不満を抱いているSEは多いですよね。しかしながら、客先単価の相場、客先常駐が負担している経費まで把握している人は少ないです。
客先常駐を批判する前に、私たちは客観的な数値を知る必要があります。
個人的には、客先単価70万円であれば、月給30万円以上、年間賞与100万円以上が良心的な企業だと思います。
これよりも少ない場合は、不当に搾取している中間業者や自社に問題があります。環境を変える事で解決するのであれば、転職を考えた方が良いですね。
1日でも早く行動に移した方が良い理由は?
2019年の有効求人倍率は、バブル期よりも高い「1.6倍」でした。また、IT業界は特に好調で、転職サイトが公表する転職有効求人倍率は「6.79倍」を記録しています(参考:転職求人倍率レポート)。書類を送付すれば、誰でも企業から内定を得られる状態ですね。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、現状は大きく変わりつつあります。
20年3月以降の米国失業保険申請者数は、3月06日累計で「8,063万人」です(参考:新規失業保険申請件数3/06)。リーマンショックでさえ3月の失業者数は80万人だけでしたね。また、トヨタは来年4月期の決算で、営業利益が79.5%減少すると発表しています。
自動車業界が壊滅的な打撃を受けたら、日本の労働者市場は立ち行かなくなります。
2009年の金融危機の頃には、多くの開発案件が中止に追い込まれました。そして、たくさんの派遣SEや客先常駐が強制退場されています。私も当時若手社員で、常駐先から首を切られました。次の常駐先が見つからず、会社を首になった人もたくさん知っています。
常駐先の契約を切られてから転職活動を開始しても遅いです。その頃には、もう企業は新しい人材を募集していないからです。IT業界で居場所を失えば、飲食店、介護施設などの肉体労働に行く人も少なからずいます。
有効求人倍率が「0.45倍」になると、どのような状況に陥るでしょうか?
- 買い手市場から売り手市場に転落し、高条件で転職できない
- 求人数が3分の1以下になり、転職したくてもできない
- 求人倍率が0.45倍に陥ると、5年間は元に戻らない
- 予算縮小でプロジェクトが中止、常駐SEは強制退場される
- 次の常駐先が見つからず、上司から自主退職を勧められる
- その後に就職活動を開始しても、企業はもう人材を募集してない
- 転職エージェントに登録しても、求人の紹介を断られる
私たちに与えられている時間は、決して多くはないですね。
転職活動で今すぐに必要なものは?
転職活動を開始するに当たって、私たちが必要な準備は何もありません。また、私たちは全てのサービスを無料で利用できます。途中で就職を辞退しても罰金など一切ありません。
履歴書や職務経歴書は、キャリアコンサルタントと面談し転職の意思を固めた後に改めて準備すれば良いですね。面談することで進みたい方向性が決まり、その段階で具体的な準備を始めた方が手戻りが少ないです。
マイナビは、他の転職サイトにはない隠れ優良企業を多数扱います。私が社内開発ができる中小企業に就職できたのはマイナビのおかげです。大手リクナビやDODAだと、求人数が多いが優良企業は少ないのが難点ですね。
- 公式サイトから「無料転職サポート申し込み」を選択する
- 希望勤務地や個人情報を入力する(3分で登録できる)
- 担当者からメールか電話があり、面談日を指定する(平日夜や週末も可)
- 予約した日時に来社し、無料カンセリングを行う(所要時間は40分)
- 仕事が忙しく来社できない場合は、電話でも対応しています
キャリア面談後には、2万件ある求人から条件に合う企業を、20社前後紹介してくれます。紹介される案件に目を向けると「実務で1度も開発経験がなくても、必要としてくれる企業がたくさんある」と自信を得られます。
それだけ、IT企業は深刻な人材不足に陥っているからです。もちろん、働きたいと思える企業がなければ、無理に応募する必要はありません。
キャリア面談は身構える必要はないが、転職活動は慎重に行いましょう。
なぜならば、転職活動は私たちの人生を大きく変える、最初の大きな1歩になるからです。自分自身の内面と深く向き合うことでやりがいのある仕事を見い出し、新しい人生の再スタート切るためにあります。
転職活動で巡り会う会社は、入社するかは別にしてそれぞれ深い意味があります。
私自身は新しい道を歩み始めたことで、大きく生涯収入を増やすことに成功し、夢だった海外就職も実現できました。もしも、あの時に転職活動しなければ、私の年収は30歳でも300万円のままです。実際に、8年間働き続けている元同僚の年収は330万円です。
コロナウイルスの影響で、労働環境はめまぐるしく状況は変わっています。
秋採用で転職するには、今月中には既に動いてないともう手遅れです。登録に必要な項目は少なく、通勤中にスマホからでも簡単に面談を予約できます。
会員登録と面談の日程調整、それから面談して求人を紹介してもらうのは、全ての工程で1時間も掛かりません。後からキャンセルもできるので、会員登録だけでも先に終わらせた方が良いですね。マイナビは親切な担当者が多く、客先常駐から抜け出せるか不安を感じている人に向いています。
私自身が4年前に、ブラックを脱出できたのでマイナビが1番のお勧めです。
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