客先常駐の給与に対して不満を持つSEは多いですよね。確かに、客先常駐は正社員なのかも怪しい上に、派遣SEの方が2.3倍も給与が高いです。でも、本当に客先常駐を辞めて、派遣SEを目指すのは正しい選択なのでしょうか?
- 「客先常駐は実質派遣と変わらないけど、具体的に何が違うの…」
- 「客先常駐の時給は1437円だけ、派遣は2〜3千円もある…」
- 「月20万円で残業代も賞与もない、派遣で働いた方が良いよね…」
正社員よりも、あえて派遣を目指す若いSEが増えています。
派遣SEが増えている最大の理由は、平均時給が2189円と高騰しているからです(参考:クリエイティブ系・IT系が過去最高を記録)。月給22万円の常駐SEだと残業0時間でも時給は1375円、40時間だと1100円、80時間だと916円まで落ちます。
客先常駐は正社員だが、実際には正社員としての機能を果たしていません。
なぜならば、客先常駐の多くは、残業代や賞与が支給されないからです。また、常駐先は炎上案件や運用保守が多く、SEとしてのキャリアを築けないですね。さらに、常駐先の契約が切れると自宅待機で給与40%カット、その翌々月には首を切られる可能性もあります。
しかしながら、常駐SEが不安定だからと、安易に派遣SEを勧めたい訳ではありません。
派遣SEの最大のデメリットは、待機中の給与が1円も発生しない事です。派遣社員の時給が高いのは、待機リスクが考慮されていないからですね。また、派遣は社会的な信用力が低下します。信用力がないと住宅ローンを借りられず、マイホームを持てません。
少なくとも、マイホームを持ちたい人は派遣SEには向きません。
ここでは、客先常駐と派遣SEの働き方の違いを紹介します。また、派遣SEのデメリットや向いている人の特徴も紹介します。個人的には、客先常駐と比較したら派遣SEのが「マシ」だと思います。けれども、雇用が不安定な派遣が最適な働き方だとは思いません。
- 客先常駐と派遣の働き方の3つの違いとは?
- 派遣SEのデメリットや向いている人の特徴は?
- 派遣SEヘの転向は、何を基準に決めたら良いの?
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- 『マイナビ IT AGENT』客先常駐から、社内開発の転職に強い
- 『社内SE転職ナビ』社内SE専門だが、求人数は673件だけ
- 『リクルート』求人数は多いが、未経験向けのブラックが多い
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<24年4月:求人数は下落に転じる>
24年に入り、日本の雇用環境は急速に悪化し始めています。
転職大手DODAによると、2月の有効求人倍数は『3.22倍→2.67倍』に急落しています。下落に転じた理由は、これまでコロナを理由に転職活動を遅らせてきた人が今年の春採用に向けて遂に動き始めたことに加え、予想外に求人数が前月比で減少したからです。製造業の求人数の減少は、昨年10月から指摘されていました(参考:製造業の新規求人数は大幅減少が続く(2023-10))。
そのため、24年春採用は危機的な状況に陥る可能性が高いです。
日本製造業の不調の原因は、世界経済の需要の急落です。21年9月に中国不動産バブルの崩壊、22年2月はウクライナ紛争で欧州経済が危機に瀕し、24年現在も中東紛争が加わり厳しい状況が続きます。更には、23年まで唯一好調だった米国も、24年には景気後退に突入する可能性が高いです(参考:米国の景気後退が始まる2024年)。
金融危機が訪れると、08年と同様に多くの常駐SEが職を失います。
私自身も当時1年目で、常駐先から契約解除と解雇されました。
契約解除後に転職活動しても、より条件が下がる劣悪なブラックしか残っていません。私は半年後に運良く内定を獲得できたが、年収300万円以下で4年間も身動きできなかったです。コロナ過では在宅ワークに救われたが、世界的な景気後退では私たち常駐SEに逃げ道はありません。
そのため、23年に転職を逃した人は、今すぐに行動を開始してください。24年の春採用を狙っている人は多いが、その頃にはもう手遅れになる可能性が高いからです。
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なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から解放されました。
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客先常駐の時給を計算したら、派遣の方が高い…
客先常駐の時給を計算したら派遣SEよりも高く、疑問に感じる人は多いですよね。
Aさん)客先常駐と一般派遣の働き方の違いは…
プログラマーの一般派遣と、客先常駐の働き方に違いはありますか。客先常駐は派遣元の社員だから派遣先がなくても給与が支払われる。ただハローワークだと月給20万で、あなたは年齢いってるから、案件単位の契約社員、と言われます。
一般派遣だとメーカー直受けで時給1700でした。一般派遣でも条件がいい方がいいと思うのですがどうなのでしょうか。
参考:Yahoo知恵袋
客先常駐と一般派遣の働き方は同じです。
客先常駐と一般派遣の違いは給与体系にあります。客先常駐では、待機期間中も給与が支給される上に、正社員なので、基本的には賞与や退職金もあります。一般派遣で時給が高いのは、待機リスクが考慮されていないからですね。
Bさん)客先常駐の時給は1437円だけだった…
IT派遣 時給か社員か どっちがいいのでしょうか?
4月からIT派遣業務に転職する予定です。しかし前回色々とあり、別な会社で働くつもりです。そんな中に求人を探していると、時給制だと以外に高時給との頃が結構あり、こっちでもいいのかな?と考え始めました。どちらも善し悪しがあるかと思いますが、どっちの方がいいのでしょうか?実際に、正社員雇用でも未経験なら18万〜23万円前後が多いように思います。
仮に23万だとしても 200000÷20=11500円
8時間勤務として、11500÷8=時給1437円です。時給制で募集しているのを見るとかなり低くても1500円前後、高ければ2000円、3000円とあります。一般的な会社であれば、勿論社員として入社した方が100倍もいいのは理解していますが、このit業界だと、名ばかりの正社員ですし、長年務めてもボーナスが高くなるわけでもなく、仮に出向先から戻り、次の現場が決まらなければ、正社員でも50パーセント近くに給与カットになるし、出向先が決まらなければ、自主退社をさせられるような感じてですし、正社員=安定でもないと思っています。
出典:Yahoo知恵袋
客先常駐の方が時給が低い理由は、正社員として採用されているからですね。
しかしながら、実際には正社員としての機能を果たしていない会社が多いです。「名ばかり正社員」と呼ばれる会社も多く、働き方は派遣と変わらない上に、雇用は派遣以上に不安定です。不当に搾取されている人は、派遣やフリーランスを目指す道もあります。
Cさん)派遣は高時給2100円の上に残業代も…
ITの派遣社員ってどうですか?23歳男性です、現在は正社員でIT業界に勤務しています。月の給料は20万円でボーナス無し残業代無しです。福利厚生無し、一応交通費と社会保険は加入しています。勤務時間はフルタイム+忙しくない日でも最低でも1時間のサビ残があり、忙しい時期は深夜まで働いたり休日出勤を頼まれます。親の親族が経営してる零細企業会社で、親の紹介で入社したのですが、経営が悪く、給料を滞納が毎月あり、今にも潰れそうです。
会社にお金がないとはいえ、特定派遣として客先に常駐しているのも強く不満です。派遣先で残業した分は私にではなく、なぜか会社が貰ってます(笑)。派遣先で出た残業代はどこに消えたんですか?と問い詰めても「君はまだ若いのだから、お金お金じゃなくて、経験を積みなさい、お金は将来自分に返ってくるから」と説得されました。
また残業代がでないのに残業してるのも馬鹿らしいので、毎日定時に帰っていたら「なんで残業しないの?チームの雰囲気が悪くなるでしょ?」と怒られました。私もなんとなくで入社しただけで特に強い思い入れはなく(特定派遣で派遣に出される前までは恥ずかしながら多少の忠誠心はありました)愛想をつかして強く転職を考えています。
その過程で見つけたのですがIT系の派遣って良くないですか?
私はオープン系言語で実務経験が約二年ありますが求人を見る限り私のスキルでいけそうな仕事で時給1800円~2100円が一見してゴロゴロ転がってるように見え派遣は残業代がでる、煩わしい人間関係が無い、といったメリットも調べたら出てきました。
安定しない、ボーナスがない、交通費がでない等のデメリットもありますが、福利厚生や各種保険加入がある派遣会社もあるので正直23歳で時給1800円ならそこらへんのサビ残があったり、ボーナス満額支給されない正社員より派遣のほうが待遇いいですよね?
30歳ぐらいまでは派遣社員で働いてから、正社員に戻ろうかなと思っているのですがいかかでしょうか。やはり甘いでしょうか?また派遣は本当に残業代がでるのか、定時に帰っても怒られないのも本当なのでしょうか、経験者の方だけじゃなくて、IT業界で働いてる人ご意見お願い致します。
参考:Yahoo知恵袋
残業代が支給されない上に、賞与や昇給もない会社であれば派遣の方が良いです。
ただし、派遣SEはデメリットも多く、万人向けする働き方ではないですね。家庭や家事がある主婦や時短労働したい人には向いているが、雇用は安定しません。客先常駐に問題があるならば、客先常駐以外の働き方を目指しましょう。
以上のように、客先常駐に不満を感じているSEは多いです。
そして、派遣SEの時間給と比較して、客先常駐を辞める人も多いですね。でも、本当に派遣が正解なのでしょうか。客先常駐と派遣の働き方には、どのような違いがあるのでしょうか。
客先常駐と派遣SEの働き方の「違い」とは?
客先常駐と派遣の違いを3つ紹介します。
違い①:派遣SEは月給が「1.6〜2.3倍」も高い?
職種別の平均時給では、「クリエイティブ系」「IT系」が過去最高時給を記録しました。「クリエイティブ系」職種が1,789円(同+10円・0.6%増、同+90円・5.3%増)、「IT系」職種が2,189円(同+25円・1.2%増、同+150円・7.3%増) でした。
人材不足の影響もあり、派遣SEの平均時給は2189円まで高騰しています。
そのため、月給22万円(年収264万円)で残業代なしの常駐SEと、時給2189円の派遣SEの月給与を比較すると、1.6〜2.3倍の違います。派遣SEは時間給で給与が決まるため、労働時間が増えるほど月給与は増えますね。
残業時間 | 残業なし(1日8時間) | 残業40時間 | 残業80時間 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
月給 | 時給 | 月給 | 時給 | 月給 | 時給 | |
客先常駐 | 22万円 | 1375円 | 22万円 | 1100円 | 22万円 | 916円 |
派遣SE | 35万円 | 2189円 | 44万円 | 2189円 | 52万円 | 2189円 |
派遣に流れるSEが増えているのは、単純に時間給と月給が高いからです。
派遣SEは1日8時間労働した場合に、月35万円の給与を得られます。世間一般的な感覚として、時間給が2倍も違うならば、客先常駐を選択する必要性はありません。
また、派遣SEは毎日定時退社できる点も魅力ですね。時間給に対して給与が支払われる派遣SEは、基本的には定時に退社できます。なぜならば、働かせ放題の客先常駐と違い、労働時間が増えるほど常駐先の支払う金額が大きくなるからです。
しかし、時間給や月給で客先常駐と派遣を比較するのは間違っています。
違い②:常駐SEは「待機中」も給与が支払われる?
- 客先常駐は、契約解除後や待機中も給与が支払われる
- 客先常駐は、社会保障(厚生年金、健康保険)が完備されてる
- 客先常駐は、福利厚生(住宅手当、失業保険)がある
- 客先常駐でも、残業代を全額支給する会社もある
- 派遣SEは、交通費を支給してくれない
- 派遣SEは、賞与や退職金がない
派遣SEとの最大の違いは、客先常駐は待機中も給与が支払われる点です。
客先常駐も派遣SEも、短ければ3〜6ヶ月単位で契約が解除されますね。客先常駐の会社側は、待機中も給与を支払うリスクがあるため、すぐに次の常駐先を探してくれます。しかし、一般派遣では、客先に常駐しない期間は、1円も給料が支払われないですね。
派遣SEが月35万円で1年間働き続けたら、年収は420万円です。しかしながら、働いていない期間が2ヶ月あるだけで、年間の収入は70万円も減ります。
他にも、派遣SEは社会保障や福利厚生、交通費や賞与、退職金がありません。客先常駐と派遣で、2倍以上給与が違うのは、給与体系が全く異なるからです。
違い③:派遣SEは社会的な「信用力」が低い?
- クレジットカードの審査が通りにくい
- 住宅ローンの審査が厳しく、銀行から借りられない
- 賃貸の入居審査が厳しく、借りられる物件が減る
正社員として雇用される客先常駐は、社会的な信用が高いです。実態は派遣と変わらなくても、社会的には信用がある正社員として扱われます。派遣やフリーランスになると、社会的な信用力は低下します。
特に社会的信用力を積み上げる必要がある20代で放棄すると、30代や40代で挽回が効きません。社会的な信用力が低いとは、世間体ではありません。
具体的にはクレジットカードの審査が通りにくい、住宅ローンや自家用車の審査が通らない、借りられる賃貸が減ります。カードや賃貸であれば、貸し手次第で乗り切れます。しかしながら、マイホームを購入する予定の人は、派遣やフリーランスは避けた方が良いですね。
では、正社員と派遣SEには、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
派遣SEの「デメリット」や向いている人は?
派遣・フリーランス | 正社員(常駐SE・社内SE) | |
---|---|---|
メリット |
|
|
デメリット |
|
|
向いてる人 |
|
|
時間給や月給が低いからという理由で、派遣SEを選択するのは危険ですね。派遣SEか正社員(客先常駐)かは、両者のデメリットを把握した上で、総合的に判断する必要があります。
正社員よりも、派遣やフリーランスが向いている人は次の通りです。逆に言うと、条件に当てはまらない人は安易に目指すべきではないです。
- 将来が不安定でも、とにかく手取額を増やしたい
- 専門知識やスキルに自信があり、技術力で勝負したい
- サービス残業ではなく、働いた分の給与が欲しい
- 本業以外にも、ブログなどで別の収入源がある
- 時間を調整して、時短労働で働きたい主婦層
- 将来的に、マイホームを持つ予定がない人
以上の条件に合う人は、派遣やフリーランスで働くべきですね。
私たちが客先常駐に不満を持つ最大の理由は、正社員にも関わらず正社員の待遇ではないからです。客先常駐を続けるか派遣SEに転向するかは、どのような基準で判断すれば良いのでしょうか。
派遣SEへの転向は、何を「基準」に判断すれば良いの?
- 「客先単価と比較して、マージン率が47%を下回っていないか?」
- 「社会保障(厚生年金、健康保険)に加入し、福利厚生は充実しているか?」
- 「待機中も、給与は満額で支給されるか?(自宅待機は給与40%カット)」
- 「待機期間が数ヶ月続いても、リストラされないか?」
- 「40代や50代でも働く社員がいて、定年まで働けるか?」
- 「業績に連動して、毎年賞与が支給されているか?」
- 「固定残業やサービス残業がなく、残業代は全額支給されているか?」
- 「退職金制度があり、定年まで勤め上げたら支給されているか?」
客先常駐を辞めたい理由は、正社員の待遇ではないからです。
客先常駐は雇用が不安定な上に、実態は派遣よりも遥かに待遇が悪いです。客先常駐では手取額が16〜18万円と安過ぎますよね。毎日夜遅くまで働くも、残業代は1円も支給されません。正社員と言いながらも、賞与も昇給もないですね。
さらに、常駐先に契約を解除されると、自宅待機で40%給与カットされます。それでも次の常駐先が決まらないと、2〜3ヶ月後には解雇されます。これでは、待機リスクを会社側が考慮しているとは言えません。
客先常駐の適正マージン率は47%だけども、大半はこれを下回ります(参考:常駐SEのマージンは47%|客先常駐,派遣,フリーランスで比較)。
常駐SEから派遣に流れる理由は、客先常駐の待遇があまりにも悪いからです。しかしながら、客先常駐の待遇が悪いからと、派遣SEを目指すのは正解とは限りません。なぜならば、問題はIT業界の正社員ではなく、客先常駐にあるからです。
客先常駐を辞めて「社内開発」で働くメリットは?
- 時間給:700〜900円から、2500〜2700円に増える
- 賞与:年間10〜20万円から、年間140〜160万円も支給される
- 退職:退職金があり、定年まで働ける会社制度がある
- 配属先:社内開発のため、上司と相談してプロジェクトを決める
- 仕事内容:経験年数に応じて、上流工程やマネジメントを経験できる
- 待機リスク:社内待機や自宅待機がなく、次のプロジェクトに入れる
客先常駐と比較して、時間給は3倍も違います。
私の常駐時代の月給は21万円(手取り18万円)でした。残業代が支給されず毎日遅くまで働くため、時給換算で700〜900円です。転職後に賞与を換算した月給は43万円(年収520万円、月給30万円)です。定時に帰宅すると、時間給は2700円以上ですね。
社内開発では、納期がない月は定時に帰宅します。
社内開発では開発案件に就けるため、経験を積めば上流工程やマネジメントも経験できます。社内待機や自宅待機もなく、定年まで安心して働けるのは嬉しいですね。
個人的には、客先常駐を辞めて派遣SEを目指すのはお勧めしません。なぜならば、正社員よりも時間給が高いけれども、雇用が安定せず万人向けの働き方ではないからです。派遣でなくても客先常駐を避ければ、時間給は増えるし雇用は安定します。
ここでは、客先常駐を辞めて社内開発に転職する方法を紹介します。
「諦めなければ、必ず客先常駐から脱出できる」
客先常駐で働く多くのSEに、社内開発を目指して欲しいと思っています。
なぜならば、私自身が客先常駐やSESに長年苦しめられたからです。客先常駐では将来性がない上に、出向先や自社に都合良く使われ、需要がなくなれば切り捨てられます。常駐先で契約解除されたら、自社でも居場所を失い失業するしか道はありません。
私がIT未経験で入社した先は、社員を客先に常駐させるだけのブラックでした。毎日夜11時過ぎまで働くも残業代は1円も支給されず、時給に換算すると700円以下です。身体は疲れているのに、布団に入ると将来が不安で夜も眠れません。
ある仕事帰りの電車の中で、窓に映った惨めな自分の姿を目にします。家事と仕事を両立し苦労して育ててくれた母親の事を思い、自然と目から涙がこぼれ落ちました。しかしながら、臆病だった私は行動に移せず、転職できずに3年が経ちます。
働くためだけに社会から生かされている生活に嫌気が指していた時に、知人から転職エージェントを紹介されました。転職に前向きになれないながらも、半ば強制的に就職活動が始まります。
そして、その2ヶ月後に社内開発できる企業に就職し、私の人生は大きく変わりました。社内開発できる企業に入社後、転職してから4年後には年収500万円を超えました。決して大きな成功ではないが、家族にも恵まれ今は毎日幸せを感じています。
この知人のおかげで、自分を信じて行動すれば、必ず良い方向に進むことを知ります。未来は自分が思い描く事しか実現されないので、いま行動しなければ一生変わらないですね。
ぶっちゃけ、客先常駐を脱出するのは難しくありません。なぜならば、常駐SEの大半は飲み会で愚痴るだけで、実際に行動に移す人は全体の1割もいないからです。私たちが実際に行動に移せば、意外と簡単に社内開発に転職できます。
客先常駐で働くSEがいなくなれば、客先常駐やSESは潰れるしかありません。私が社内開発を勧める理由は、社員を常駐させるだけのブラックは潰れて欲しいからです。そのためには、まずは私たち自身が行動しなければなりません。
私は過去にマイナビを利用して、客先常駐から脱出して社内開発に転職しました。マイナビは親切な担当者が多く、客先常駐から抜け出せるか不安を感じている人に向いています。
公式サイト:マイナビ IT AGENT(無料サービス登録まで3分)
客先常駐から脱出できる3つの方法は?
客先常駐から脱出する方法は、大きく分けて3つあります。
方法1:IT業界を辞めて別の業種へ
客先常駐に疲れ切った人の中には、別業種で再スタートしたい人も多いです。でも、SEのキャリアを活かす方が、良い就職先に就ける可能性は遥かに高いですよね。
経験ゼロで新しい業種に入れば、年収250〜300万円で再スタートします。冷静に考えると、実務経験がない状態で異業種に飛び込めば、どの業種でも確実にブラックに就職します。ノルマがキツイ営業や飲食業、肉体労働の建築や工場は、IT業界以上にブラックな業種です。
仕事が楽な総務や事務職は、正社員ではなく派遣やパートしか募集していません。派遣やパートでは、今以上に将来が不安定になります。
1度でもIT業界で働きた経験があれば、私たちは未経験者ではなく経験者枠で応募できます。キャリアコンサルタントが提案する企業も、10倍以上に選択肢が増えますね。紹介してくれる企業は経験者向けなので、求人の質も以前より高くなります。
現実的に考えたら、現在のキャリアを活かさない手はないですね。
方法2:経験を活かして異業種の社内SEへ
異業種の社内SEを目指せば、客先常駐から逃れられます。しかしながら、社内SEはデメリットも多いため、私たちは十分に注意が必要です。
最大のデメリットは、特定の業界事情に詳しくなる反面、IT系の専門性が失われる事です。なぜならば、システム開発を外部委託するため、自社で経験やキャリアを積めないからです。社内SEの仕事は、社外のスケジュール管理と、社内の非IT管理部門のサポート業務です。
1度でも社内SEになると、一般的なSEのキャリアからは遠くなります。
また、本業が成長しない会社に就職すると、リストラの危険性も高いです。なぜならば、利益を上げない情報システム部門は、経営陣からコスト部門だと見なされるからです。定年まで働く前提で入社しても、経営方針が変われば真っ先に首を切られます。
競争社会から離れた社内SEにとって、外の世界で生き残るのは容易ではないですね。
方法3:経験を活かして自社や社内開発へ
IT業界で市場価値を高めたい人は、自社開発や社内開発を目指しましょう。社内開発とは、大手企業から依頼を請ける受託開発、自社製品やパッケージの開発や販売、スマホやソーシャルアプリの開発、コンサルタントやクラウド導入など、様々な働き方がありますね。
社内開発の最大のメリットは、経験と業界年齢に合わせてキャリアを積める事です。
開発案件では最新技術を学び、社内開発で経験を積めば上流工程からも携われます。設計やマネジメントを経験できれば、自身の市場価値を上げられますね。そして、専門知識や経験さえ積めれば、不景気を理由にリストラされても生き残れます。
また、専門知識や経験年数に合わせて、順調に収入も増やせますね。市場価値が高い人材になれば、フリーランスや在宅で働くのも難しくありません。市場価値が高い人材になれば、年収100〜200万円アップの転職も難しくありません。
では、客先常駐を脱出するには、私たちは具体的に何をすれば良いのでしょうか?
客先常駐から脱出できる転職サイト2社は?
客先常駐を脱出するには、「マイナビ×IT」と「社内SE転職ナビ」がお勧めです。
転職1:異業種の社内SEに強い「社内SE転職ナビ」
- IT経験者向けに、社内SEに特化した専門サイト
- 客先常駐から脱出して、異業種の社内SEに転職できる
- 他の経験者向けと比較して、知名度が低く利用者が少なすぎる
- 社内SE案件に絞られるため、求人数が673件と少なすぎる
- スキル次第だが、実は社内SE以外も紹介される
- 関東圏、関西圏以外では、求人がほとんどない
公式サイト:『社内SE転職ナビ』
社内SE転職ナビは、社内SEに特化した経験者向けの転職サイトです。他にない最大の特徴は、社内SEや社内開発を専門に扱い、確実に客先常駐から脱出できる事ですね。
しかしながら、他の転職サイトと比較して、知名度が低く利用者が少ない点に注意が必要です。また、社内SE案件に絞られるため、求人数が673件しかありません。「マイナビ×IT」も経験者向けで社内開発を中心に扱うが、求人数は2.8万件以上あります。
確実に客先常駐を脱出できるのは魅力だが、転職サイトの規模が少なすぎます。選択肢が少ないと、ブラックに就職する可能性も必然的に高くなります。「社内SE転職ナビ」1本に絞るのは、リスクが高いので避けた方が良いですね。
転職2:自社や社内開発に強い「マイナビ×IT」
- 大手マイナビが運営する、IT業界に特化した専門サイト
- 客先常駐から、自社や社内開発の転職に最も強い
- 自社や社内開発など、求人数は2.8万社以上もある
- ハイキャリア層ではなく、20〜30代の常駐SE向け
- 大手2社(リクナビ、DODA)にはない、中小の隠れ良企業を扱う
- 大手2社よりも、丁寧な対応で高評価を得ている
- 担当者が推薦状を書くので、書類選考の通過率が高い
公式サイト:マイナビ IT AGENT
「マイナビ×IT」は、大手マイナビが運営する、IT業界に特化した専門サイトです。他にない最大の特徴は、客先常駐から自社や社内開発、それから社内SEを目指せる事です。親切な対応の担当者が多く、転職経験がない初めての常駐SEにも向いています。
個人的な1番のお勧めが「マイナビ×IT」です。なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、客先常駐のブラックから脱出できたからです。
私が社内開発に転職できた時は、実務で開発経験が1度もない時でした。
「次もブラックに騙されて、客先常駐やSESに入社したらどうしよう」と不安しかなかったです。担当者は、客先常駐の経験しかなくても、必ず社内開発に就職できると声を掛けてくれました。「確実に社内案件に入れる保証がなければ、無理に転職する必要はないですよ」とも言ってくれました。
2ヶ月後に内定を頂いた先は、受託開発がメインのIT企業です。社員数が100名未満の中小企業だが、海外に開発拠点もある隠れ優良企業でした。
入社後に先輩社員から個別の社内研修があり、プロジェクト配属後も別の先輩が開発のサポートをしてくれます。それから、毎年40〜60万円ペースで順調に昇給し、4年後には年収が520万円を超えます。開発案件に就いた後も、納期がない月は毎日定時に帰宅しています。
上場企業や知名度がある大手はないが、私にとってこの会社は優良企業ですね。順調に昇給する上に残業も少ないため、今もこの会社でお世話になっています。
IT業界以外も広く扱う大手2社(リクナビ、DODA)と違い、IT系に特化したマイナビは求人の質が高いです。また、大手2社が扱わない隠れ優良企業が多いのも魅力です。機械的な対応にならざる負えない大手と違い、サポートが手厚い点もお勧めです。
私が客先常駐から脱出でき、社内開発に転職できたのはマイナビのおかげです。
これからも、常駐SEで働き続けるリスクとは?
客先常駐を続ける最大のデメリットは、経験年数に応じて給料が増えない事です。
常駐SEの給料が増えない理由は、手順書通りのマニュアル作業、ドキュメント作成、運用保守、ヘルプデスク、評価など、単純労働ばかりで開発経験を積めないからです。短期間で常駐先が変わるため、運が悪ければプロジェクト毎にスキルがリセットされます。
IT業界で35歳定年説があるのは、実務経験を積めない常駐SEの働き先がなくなるからです。35歳を過ぎると、経歴書の年齢を見ただけでスルーされます。
私の新入社員時代の元同僚は、今も1社目の客先常駐で働き続けています。久しぶりに彼女に再会したが、8年間で30万円(年収300→330万円)しか増えていない事に衝撃を受けました。30歳を機に、契約解除が増え自宅待機も増えたと言います。
対して、3年目に転職を決意した私は、その4年後に520万円まで増えています。IT業界では、本人の能力や実力以上に働く環境が大事です。
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- 『社内SE転職ナビ』求人数は673件と、ブラック率も高い
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※マイナビのプロモーションを含みます。
<24年4月:求人数は下落に転じる>
24年に入り、日本の雇用環境は急速に悪化し始めています。
転職大手DODAによると、2月の有効求人倍数は『3.22倍→2.67倍』に急落しています。下落に転じた理由は、これまでコロナを理由に転職活動を遅らせてきた人が今年の春採用に向けて遂に動き始めたことに加え、予想外に求人数が前月比で減少したからです。製造業の求人数の減少は、昨年10月から指摘されていました(参考:製造業の新規求人数は大幅減少が続く(2023-10))。
そのため、24年春採用は危機的な状況に陥る可能性が高いです。
日本製造業の不調の原因は、世界経済の需要の急落です。21年9月に中国不動産バブルの崩壊、22年2月はウクライナ紛争で欧州経済が危機に瀕し、24年現在も中東紛争が加わり厳しい状況が続きます。更には、23年まで唯一好調だった米国も、24年には景気後退に突入する可能性が高いです(参考:米国の景気後退が始まる2024年)。
金融危機が訪れると、08年と同様に多くの常駐SEが職を失います。
私自身も当時1年目で、常駐先から契約解除と解雇されました。
契約解除後に転職活動しても、より条件が下がる劣悪なブラックしか残っていません。私は半年後に運良く内定を獲得できたが、年収300万円以下で4年間も身動きできなかったです。コロナ過では在宅ワークに救われたが、世界的な景気後退では私たち常駐SEに逃げ道はありません。
そのため、23年に転職を逃した人は、今すぐに行動を開始してください。24年の春採用を待っていたら、もう手遅れになるからです。
客先常駐から脱出するならば、「マイナビIT」が1番お勧めです。
なぜならば、私自身がマイナビを利用する事で、4年前に客先常駐から脱出できたからです。社内開発に転職後の年収は4年間で300→520万円まで増え、契約更新や解除の不安から解放されました。
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いますぐ転職する意思がなくても、自分を守るために会員登録だけでも必ずしてください。会員登録や転職サポートは全て無料だし、事前に面談済みなら必要な時にすぐに案件を紹介してくれるため、常駐先で契約解除された時のリスクヘッジになります。
まとめ:客先常駐と一般派遣の働き方の違いは?
- 「客先単価と比較して、マージン率が47%を下回っていないか?」
- 「社会保障(厚生年金、健康保険)に加入し、福利厚生は充実しているか?」
- 「待機中も、給与は満額で支給されるか?(自宅待機は給与40%カット)」
- 「待機期間が数ヶ月続いても、リストラされないか?」
- 「40代や50代でも働く社員がいて、定年まで働けるか?」
- 「業績に連動して、毎年賞与が支給されているか?」
- 「固定残業やサービス残業がなく、残業代は全額支給されているか?」
- 「退職金制度があり、定年まで勤め上げたら支給されているか?」
あえて派遣を目指す若いSEが増えていますね。派遣SEが増えている最大の理由は、平均時給が2189円と高騰しているからです(参考:クリエイティブ系・IT系が過去最高を記録)。月給22万円の常駐SEだと残業0時間でも時給は1375円、40時間だと1100円、80時間だと916円まで落ちます。
客先常駐は正社員だが、実際には正社員としての機能を果たしていません。
なぜならば、客先常駐の多くは、残業代や賞与が支給されないからです。また、常駐先は炎上案件や運用保守が多く、SEとしてのキャリアを築けないですね。さらに、常駐先の契約が切れると自宅待機で給与40%カット、その翌々月には首を切られる可能性もあります。
しかしながら、常駐SEが不安定だからと、安易に派遣SEを勧めたい訳ではありません。
派遣SEの最大のデメリットは、待機中の給与が1円も発生しない事です。派遣社員の時給が高いのは、待機リスクが考慮されていないからですね。また、派遣は社会的な信用力が低下します。信用力がないと住宅ローンを借りられず、マイホームを持てません。少なくとも、マイホームを持ちたい人は派遣SEを目指すべきではないですね。
客先常駐の働き方に不満があるならば、素直に客先常駐がない働き方を目指しましょう。私は、社内開発に転職した事で、時間給は2〜3倍(年収520万円、月給30万円)に増えました。納期がない月は、毎日定時に帰宅します。
派遣SEはクセがある働き方なので、万人向けではないですね。
1日でも早く行動に移した方が良い理由は?
2019年の有効求人倍率は、バブル期よりも高い「1.6倍」でした。また、IT業界は特に好調で、転職サイトが公表する転職有効求人倍率は「6.79倍」を記録しています(参考:転職求人倍率レポート)。書類を送付すれば、誰でも企業から内定を得られる状態ですね。
しかしながら、コロナウイルスの影響で、現状は大きく変わりつつあります。
20年3月以降の米国失業保険申請者数は、3月06日累計で「8,063万人」です(参考:新規失業保険申請件数3/06)。リーマンショックでさえ3月の失業者数は80万人だけでしたね。また、トヨタは来年4月期の決算で、営業利益が79.5%減少すると発表しています。
自動車業界が壊滅的な打撃を受けたら、日本の労働者市場は立ち行かなくなります。
2009年の金融危機の頃には、多くの開発案件が中止に追い込まれました。そして、たくさんの派遣SEや客先常駐が強制退場されています。私も当時若手社員で、常駐先から首を切られました。次の常駐先が見つからず、会社を首になった人もたくさん知っています。
常駐先の契約を切られてから転職活動を開始しても遅いです。その頃には、もう企業は新しい人材を募集していないからです。IT業界で居場所を失えば、飲食店、介護施設などの肉体労働に行く人も少なからずいます。
有効求人倍率が「0.45倍」になると、どのような状況に陥るでしょうか?
- 買い手市場から売り手市場に転落し、高条件で転職できない
- 求人数が3分の1以下になり、転職したくてもできない
- 求人倍率が0.45倍に陥ると、5年間は元に戻らない
- 予算縮小でプロジェクトが中止、常駐SEは強制退場される
- 次の常駐先が見つからず、上司から自主退職を勧められる
- その後に就職活動を開始しても、企業はもう人材を募集してない
- 転職エージェントに登録しても、求人の紹介を断られる
私たちに与えられている時間は、決して多くはないですね。
転職活動で今すぐに必要なものは?
転職活動を開始するに当たって、私たちが必要な準備は何もありません。
履歴書や職務経歴書を準備するのは、キャリアコンサルタントと面談し転職の意思を固めた後の話です。コンサルタントと面談することで、IT業界の中で目指す職種や方向性も決まります(最初から方向性がはっきりしている人はいません)。
その段階で書類を準備した方が修正する手間が省けますね。
はじめて経歴書を作成した時は、何を書けば良いのかわからず何度も消しては書き直していました。キャリアエージェントに相談すると、経歴書の書き方から添削まで優しく的確にアドバイスしてくれます。
入力項目は7項目だけなので、通勤中にスマホからでも簡単に登録できます。
- 公式サイトから会員登録する(氏名や住所など5分程度)
- 会員登録完了後に担当者からメールが送られてくる(当日か翌日)
- 担当者とキャリア 面談を行う(面談場所は京橋や横浜など、電話でも対応可能)
- キャリア 面談時に、条件にマッチする案件を10〜20社程度紹介してもらう
- 転職活動する意思を固めた場合のみ、書類の準備を始める
- 2〜3ヶ月で内定を獲得し、就職先の企業と相談して入社日を決める
まずは、現在のスキルで社内開発できる案件を紹介してくれるか、だけでも相談してみましょう。社内転職ナビは、将来のキャリアを気軽に相談できる「カジュアル相談」があるので、軽い気持ちで相談できます。
面談は登録した当日や土日でも可能、電話やスカイプでも対応しているので、お昼のランチ休憩からでも相談できます。
公式サイト:顧客常駐はもう嫌だ!社内SEへ転職するなら【社内SE転職ナビ】
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